98歳の夫と89歳の妻の79年の結婚生活を通じて、誰もがこうありたいと願う夫婦の純愛物語である本作。2014年に小規模で公開が開始され、たちまち口コミで広がり800スクリーンにまで増え、『インターステラー』などのハリウッド大作を押さえて大ヒットとなった。韓国では10人に1人が観たことになる480万人を動員し、韓国ドキュメンタリー映画史上No.1の観客動員数を達成して、老若男女を巻き込んだ社会現象となった。その勢いは国内に留まらず世界中の映画祭で上映され、ロサンゼルス映画祭最優秀ドキュメンタリー作品賞を受賞したほか、モスクワ国際映画祭を皮切に、多くの映画祭で一般の観客の心をつかみ“観客賞”に選ばれた。
7月30日(土)の公開を前に行なわれた試写では「おじいさんの優しさに涙が溢れました」「こんな旦那が私もほしい!」という感想が続出。劇中で、仲むつまじく暮らすおじいさんとおばあさんの生活に憧れをいただく人も多いようで、俳優で3児のパパでもある杉浦太陽は「あんなふうに年を重ねたい」とコメントしている。
76年間も仲良く過ごすカギはおじいさんが握っているのかもしれない。食事の時は、準備から片づけまでおばあさんを手伝い「美味しい」と言って料理を食べる。重い荷物は率先して持ち、優しく気遣いながら、たくましい男らしさをにじませる。さらに出かける時は、どんな時でも、おばあさんの手をとってゆっくり歩んでいく。大きな包容力で時にはとことん甘えさせてくれる、おじいさんの変わらずにそしてさりげない優しさには、おばあさんのみならず多くの女性をキュンキュンさせているようだ。
料理家のコウケンテツは「今日も綺麗だねって。愛してるよって。もっともっと言おう。」と愛を言葉で伝えることの大切さを語っている。雑誌で結婚について語る記事を連載するミュージシャンの岡村靖幸は「夫婦で人生を楽しく紡いでいくにはどうするべきか、大きなヒントをこの映画で学びました」と男性から見ても結婚の新たな幸せを発見している様子。おじいさんがいるからおばあさんがいる、おばあさんがいるからおじいさんがいる。
韓国では特に20代の男女にも人気が高かったという本作。夫婦の歩んだ道のりを参考に、より愛を深めてみてはいかがだろうか。
映画『あなた、その川を渡らないで』は2016年7月30日(土)よりシネスイッチ銀座ほか全国で順次公開!
監督:チン・モヨン
出演:チョ・ビョンマン、カン・ゲヨル
配給:アンプラグド
2014年/韓国/86分
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