HARUHI

HARUHI

カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞受賞『淵に立つ』の主題歌がHARUHIの新曲「Lullaby」に決定した。

圧倒的な人間描写で家族を問い直す衝撃作である本作。『さようなら』(2015)で人間とアンドロイドを通して生と死を描いた深田晃司監督が生み出した新たな人間ドラマが描くのは、郊外で小さな工場を営む夫婦とその一人娘。ある日、夫の旧い知人だという男がやって来て、奇妙な共同生活が始まるが、やがて男は残酷な爪痕を残して去っていく。8年後、皮肉なめぐり合わせにより、男の消息の手がかりをつかむが、それは互いの心の奥底を覗き込む行為に他ならなかった―。主演の浅野忠信は、怪しくも魅力的な佇まいで家族を翻弄する男を熱演する。さらに古舘寛治が寡黙な夫役で新境地を見せ、筒井真理子が妻の心身の変化を凄まじいまでの説得力で体現する。深田監督はカンヌ国際映画祭に初参加でいきなり公式部門にノミネートされ受賞を果たす快挙を成し遂げた。

今回、本作の主題歌に17歳のHARUHIの新曲「Lullaby」が抜擢された。HARUHIはアメリカ・ロサンゼルス出身の17歳で、5月に佐藤健と宮﨑あおい共演『世界から猫が消えたなら』の主題歌「ひずみ」でデビュー。iTunes J-POPアルバム初登場1位、レコチョク上半期新人ランキング2位を記録するなど、その歌唱表現力が大きな話題となっている。

主題歌の「Lullaby」は全編英語詞の新曲。楽曲デモを耳にした深田監督がHARUHIの声と世界観を見込んで主題歌を依頼し、HARUHIがオリジナル楽曲「Lullaby」を書き下ろして完成した。作詞・作曲はHARUHI。編曲は小林武史、HARUHIの共作となっている。デビュー曲から2作続けて映画主題歌への起用となったHARUHI。その圧倒的な17歳の声に今後の期待がかかる。

HARUHIコメント

人が人と生きることにはこんなにも痛みが伴うのか。この作品を観てからずっと考え続けています。
この曲は、生まれくるすべての人を思う子守唄です。
すべての生命を包みこむ、そういうぬくもりを感じてもらえたら嬉しいです。

深田晃司監督コメント

いざこの映画の主題歌をどうすべきかと考えたとき、それが大変な難題であることに気づきました。必要な言葉はもうすべて映画の中にあるよ、と生意気にも考えていたからです。それに余韻も壊したくない。
だから、私はこんなお願いをしました。「絶望も希望も歌いあげないで下さい。この映画は崖の淵から下を見るように人の心の闇、生きることの闇をできるだけ理性的に覗き込もうと試みてます。音楽もまたその闇をじっと見つめそこから滲み出る畏れのようなものをHARUHIさんなりに書き留めたものであって欲しいです」と。率直に主題歌らしくない主題歌にして欲しいとも伝えました。
出てきた曲を聴いて、驚きました。期待を軽々と越えていました。この映画は本当の意味で、映画と歌い手がコラボレーションできた稀有な例だと自負しています。聴き終わったときには、私はすっかりHARUHIさんのファンになっていました。
この映画が、彼女の伸びやかで繊細な歌声とともに多くの人の元に届き、ともに成長していくのを楽しみにしています。

『淵に立つ』

『淵に立つ』ポスタービジュアル

映画『淵に立つ』は2016年10月8日(土)より全国で公開!

監督・脚本・編集:深田晃司
出演:浅野忠信、筒井真理子、太賀、三浦貴大、篠川桃音、真広佳奈、古舘寛治 
配給:エレファントハウス、カルチャヴィル
2016年/日本・フランス/119分

©2016映画「淵に立つ」製作委員会/COMME DES CINEMAS