『ストーンウォール』

ゲイバーを舞台に実際に起きた事件を基に描いた人間ドラマ『Stonewall(原題)』が『ストーンウォール』の邦題で2016年冬に全国で公開されることが決定した。

1969年に起きた実際の事件“ストーンウォールの反乱”を基に描いた人間ドラマである本作。当時“精神病”とされ忌み嫌われていた同性愛者たちの憩いの場“ストーンウォール・イン”―。ニューヨークのグリニッジ・ビレッジにあるこのゲイバーを舞台に、インディアナ州からやってきた青年ダニーの目を通して、社会的に認められないことに傷付きながらも必死で自分の居場所を探そうとひたむきに生きる少年や青年たちと彼らが生きる時代を、その生活や心情を通して、史実に基づいて丁寧に、時に痛烈に描いた作品。“ストーンウォール・イン”は、オバマ大統領により、2016年6月に国定文化遺産保護地域に指定されたばかりで、LGBTプライド月間での演説で「自由と平等の理想を持続する現実に変えるために、レズビアンとゲイとバイセクシュアルとトランスジェンダーのアメリカ国民およびその同盟者たちはストーンウォールの客たちから米軍の兵士たちまで、その歴史の次の偉大な章を懸命に書き続けてきた」と発言している

監督は最新作『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』(2016)のヒットが記憶に新しく、『インデペンデンス・デイ』(1996)『GODZILLA』(1998)『デイ・アフター・トゥモロー』(2004)などのSF超大作で絶望的な崩壊に立ち向かうアメリカ人を描き、世界的にヒットさせて時代の寵児となったローランド・エメリッヒが務める。自身もゲイをカミングアウトしている彼が“ホームレスの40%がセクシュアル・マイノリティの若者である”という統計に衝撃を受け、この映画の製作に興味を持ったことから本作の製作が始まった。エメリッヒ監督は「自分自身がゲイだから、すべての疑問に自分が答えられると思った」と語る。インディアナの田舎街から、ニューヨークのゲイの街クリストファー・ストリートに単身やってくるピュアな青年ダニーを演じるのは『戦火の馬』(2011)『17歳のエンディングノート』(2012)のジェレミー・アーヴァイン。そのストリートで美貌を武器に体を売り、自分と同様に身寄りのない男娼のキッズたちをとりまとめるギャングのリーダーであるレイを新星ジョニー・ボーシャン、ダニーが憧れ惹かれていくハンサムで聡明な活動家トレバーを『ベルベット・ゴールドマイン』(1998)『マッチポイント』(2005)のジョナサン・リース・マイヤーズ、ゲイバーの経営者でギャングのエドを『ヘルボーイ』(2004)『ムーン・ウォーカーズ』(2015)のロン・パールマンが演じる。

インディアナ州から、ニューヨーク、グリニッジ・ビレッジのクリストファー・ストリートへやってきたダニー(ジェレミー・アーヴァイン)。ゲイであることが発覚し、両親に見放され、恋人のジョーにも裏切られ、追われるように故郷を出た孤独なダニーを迎え入れたのは、この街で美しさを武器に体を売って暮らすゲイのギャングを率いるレイ(ジョニー・ボーシャン)だった。ダニーは彼らの部屋に住まわせてもらい、常に陽気に歌って踊りながらたくましく生きていく仲間を得て、この街で身を寄せ合い暮らす様々なゲイやレズビアン、ドラァグ・クイーンや、政治活動家のトレバー(ジョナサン・リース・マイヤーズ)と出会うが―。

『ストーンウォール』チラシビジュアル

映画『ストーンウォール』は2016年冬に新宿シネマカリテほか全国で公開!
監督・製作:ローランド・エメリッヒ
出演:ジェレミー・アーヴァイン、ジョナサン・リース・マイヤーズ、ジョニー・ボーシャン、カール・グルスマン、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、ジョーイ・キング、ロン・パールマン
2015年/アメリカ/129分
© 2015 STONEWALL USA PRODUCTIONS, LLC