読んんでイヤな気持ちになる最悪の結末だが、後味が悪ければ悪いほど“クセ”になってしまう魅惑のミステリー=イヤミス。今やミステリー界の一大人気ジャンルとなっているイヤミス界に新たな旋風を巻き起こし、発売直後から「この結末には完全に
ヤラレた」「とにかく誰かと語り合いたい」と中毒者が続出した秋吉理香子の同名小説が豪華キャストで映画化されることが決定した。
物語の舞台は、聖母マリア女子高等学院。ある日、学院の経営者の娘で、全校生徒の憧れの的だった〔白石いつみ〕が死ぬ。校舎の屋上から落下したのだが、自殺か他殺か、それとも事故なのか謎に包まれていた。わかっているのは、いつみの手にすずらんの花が握られていたことだけ。やがて、いつみが主宰していた文学サークルの誰かが彼女を殺したという噂が立つ。親友だったいつみから会長を引き継いだ澄川小百合は、部員が自分で書いた物語を朗読する定例会を開催する。今回のテーマは、「白石いつみの死」。それぞれが“犯人”を〈告発〉する作品が発表されていく。物語は5つ、動機と結末も5つ―。果たして真実はどれか?
澄川小百合役には、「仮面ライダー フォーゼ」シリーズのヒロイン役で注目され、NHK連続テレビ小説「まれ」の主人公の同級生役でその名を全国に知られた清水富美加。『全員、片想い』(2016)の1エピソードで千葉雄大とW主演を果たし、ベストセラーコミックの映画化『東京喰種』(2017)の重大な役も決定している。白石いつみ役には、「ニコラ」「セブンティーン」の専属モデルを務め、ティーンのファッションリーダーとして絶大なる人気を誇る飯豊まりえ。2012年からは女優としてTVドラマ「アルジャーノンに花束を」などに出演。『MARS~ただ、君を愛してる~』(2016)でヒロインを務めた。現在放送中のTVドラマ「好きな人がいること」にも出演し、『きょうのキラ君』(2017)でのヒロイン役も控える。
さらに、女子高生にして現役ライトノベル作家でプライドの高い高岡志夜役には、清水崇監督のホラー『雨女』や宮藤官九郎監督の『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』で話題の清野菜名。ブルガリアからの苦労人の留学生ディアナ・デチェヴァ役には、「ViVi」の専属モデルを務め、大ヒット作『オオカミ少女と黒王子』『貞子vs伽椰子』でも圧倒的なインパクトを残した玉城ティナ。老舗料亭の娘でパティシエを夢みる小南あかね役には、『人狼ゲーム プリズン・ブレイク』で映画初主演を飾った小島梨里杏。奨学生であることを負い目に感じている二谷美礼役には、多数のCMに出演して人気を獲得し、『青空エール』『キセキーあの日のソビトー』『きょうのキラ君』と期待作の公開が控える平祐奈。
本作のメガホンを取るのは『百瀬、こっちを向いて。』で報知映画賞監督賞にノミネートされ、TVドラマから映画へと連動した『MARS~ただ、君を愛してる~』を手掛けた耶雲哉治監督。脚本は『心が叫びたがってるんだ。』『劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』などの大ヒットアニメ映画で高く評価された岡田麿里が実写映画の脚本を初めて手掛ける。
清水富美加(澄川小百合役)
もはや女子高は現実にあるものの異世界だと思っているので、とっても不安でした。が、撮影に入ってみて同世代の可愛い女の子達が頑張っていて、勇気をもらいました。澄川小百合という女子高生を、慎ましく、そして貪欲に、演じたいです。女子のブラックな部分が存分に出る作品だと思います。それから人間関係での悩みや鬱憤を晴らすつもりで臨みたいです。ごめんなさい(笑)誰かにただ理想を重ねて過ごしていけるほど、女子は成熟していない。「自分だけを見て欲しい」「誰よりも」それに由来する黒い部分すら純粋にそして確実に持っていると思います。
飯豊まりえ(白石いつみ役)
女の子のリアルな世界観を、よりダークに暗黒女子というスパイスを加えて描いている作品です。後味は正直悪いです。でもそれが、他にはなくて新鮮で面白いなと思います。いつみは誰もが憧れる太陽の存在だけど、自分の世界に入り込めるスイッチがはっきりしている女の子。自分自身はじめての役柄で、戸惑いや不安もありますが、監督やキャストのみんなと一緒に精一杯頑張っていきたいと思います。
清野菜名(高岡志夜役)
何が真実で誰が嘘をついているのか謎がいっぱいで、ボヤッと心に残るような感じがあります。でも、そのバランスがいい感じになっているのだと思います。自分の高校生を思い出しながら楽しんで明るく元気にやっていきたいと思います。チームワークが大切な現場だと思うので、皆さんとコミュニケーションをとっていい雰囲気を作って、最後までケガなく楽しんで撮影したいなと思います。
玉城ティナ(ディアナ・デチェヴァ役)
女の子の裏と表みたいなものはどこにでもあると思いますが、独特の思春期の感じや言葉の使い方が面白いと思います。どういう風にディアナを演じようかなと悩みながらではありますが、頑張るぞ!という気持ちでいっぱいです。怖くて美しい二面性のある文学サークルを作れる一員になれるように頑張りたいと思います。
小島梨里杏(小南あかね役)
女子高生にしかないキラキラ、生き生きした部分とは裏腹に“暗黒”が見え隠れして出てきます。今回演じさせて頂く小南あかねは初めてやるような役なので、演じているときと普段のギャップが面白いです。この映画の中で闇と明るみ、人間に翻弄されながら撮影も頑張っております。どうぞ転がされちゃってください。皆さまの予想もしない結末に。乞うご期待。
平祐奈(二谷美礼役)
一人一人の物語になっていて、みんな違うことを言っていて、最後こうなるのかという驚きな展開があり、脚本を読んでとても面白いと思いました。みんなより年下の1年生役で、私自身も妹なので、妹キャラとして現場を明るくしていきたいと思います。みんなと心を一つに頑張っていければと思います。これから演じていくのが楽しみです。
耶雲哉治監督
この映画の世界観は、個性的で非現実的。10代の女の子たちの憧れだったりキラキラしている部分もあれば、すごくグロテスクな部分もある。女の子たちが集まるというのは、美しく生き生きとしていて、そしてパワフルでエネルギッシュ!だけど、実はそうじゃない!どす黒い部分もあるという二面性というのが、この映画の面白さに繋がればいいなと思っています。
岡田麿里(脚本)
実写映画に携わるのも、朗読で進行する物語の脚色も初めてでしたが、耶雲監督の描くイメージが鮮明だったので、迷いなく「そこに乗っていこう!」と思えました。原作を拝見した際に感じた、息がつまりそうなほどに濃密な少女の香り。劇場版の『暗黒女子』でも、若く暴力的なほどに美しいキャスト陣が、貴重な少女の香りを惜し気もなく放ちまくっています。
秋吉理香子(原作)
『暗黒女子』は私の中でも特に思い入れの深い作品で、実写映画化のお知らせをいただいてからずっと夢を見ているようでした。文学サロンに集う女生徒役のみなさんは、私の脳内から抜け出てきたのではと驚くほどイメージ通りで、「この方たちしかいない!」と確信しています。ミステリアスで煌びやかな世界、そして美しくも危険な少女たちをスクリーンで見られる日が待ち遠しいです!
映画『暗黒女子』は2017年春に全国で公開!
監督:耶雲哉治
原作:秋吉理香子「暗黒女子」(双葉文庫)
出演:清水富美加、飯豊まりえ、清野菜名、玉城ティナ、小島梨里杏、平祐奈
配給:東映/ショウゲート
©2017「暗黒女子」製作委員会 ©秋吉理香子/双葉社