国際映画製作者連盟公認の映画祭として、日本を含むアジアを中心とした若手クリエーターの発掘と支援を推進する東京国際映画祭。第29回目を迎える今年、同映画祭が国際交流基金アジアセンターと共同で、初めて映画製作を手がける作品となる本作が10月26日(水)にワールドプレミア上映される。新しい試みとなるシリーズの第1弾として誕生した『アジア三面鏡2016:リフレクションズ』は「アジアで共に生きる(Live together in Asia)」をテーマに、日本とカンボジア、フィリピン、マレーシアを舞台に各国間を行きかう人々の生きる姿を描いている。アジアを代表する才能豊かな3名の監督が映し出したのは、アジアの過去と現在。それは不法滞在者、高齢化問題、内戦と復興など、問題を抱えながらその時代、その場所で生きる人々の姿を通じて、アジア人としてのアイデンティティや生き方を問いかける作品となっている。
オムニバス作品である本作を構成するのは、ブリランテ・メンドーサ監督(フィリピン)の『SHINIUMA Dead Horse』、行定勲監督(日本)の『鳩 Pigeon』、ソト・クォーリーカー監督(カンボジア)の『Beyond The Bridge』。
『SHINIUMA Dead Horse』
日本を不法滞在で追われ、故郷フィリピンに数十年ぶりに帰ることとなる男の心の内に接近するストーリー。苦境に見舞われながらも逞しく誇り高く生きる自国の人々を巧みに描くメンドーサ監督が、北海道帯広、マニラを舞台にナショナリティを失ったことに伴う人生の喪失について描く。主演は、フィリピンで最も尊敬される俳優のひとりで『ボーン・レガシー』(2012)などハリウッド映画でも活躍するフィリピンの名優、ルー・ヴェローソ。
『鳩 Pigeon』
かつては日本軍が駐留し、現在多くの日本人高齢者が余生を過ごすため移住するマレーシアが舞台。日本から移住し、鳩舎のある屋敷で家族と離れて暮らす孤独な老人を中心に、息子との確執、そしてヘルパーの若いマレーシア人女性と心の交流を描く。また、舞台となるペナン島で起きた太平洋戦争の遠い記憶が、余生を送る老人につながる―。主演は日本映画界の重鎮、津川雅彦。相手役はマレーシアの故ヤスミン・アフマド監督のミューズ、シャリファ・アマニ。老人の息子役として永瀬正敏が出演。
『Beyond The Bridge』
日本とカンボジアを繋ぐ時代を超えたラブストーリー。初監督作『シアター・プノンペン』(2014)に続き、2作目となる本作ではふたつの時代にカンボジアで出会った男女の恋愛模様を同国の内戦の歴史、そしてプノンペンに実在するカンボジア日本友好の橋、《日本橋》を軸に描く。主演は映画、テレビ、舞台など国内外数々の作品で活躍する加藤雅也。相手役はカンボジアより宮本亜門演出の舞台「ライ王のテラス」への出演が記憶に新しいチュムヴァン・ソダチヴィー。
今回、本作の予告編とポスタービジュアルが解禁された。カンヌ国際映画祭をはじめ、世界の映画祭が認めたアジアを代表する
3名の監督が手掛けたオムニバス作品。日本映画界の重鎮、津川雅彦をはじめ、国際派俳優の加藤雅也、永瀬正敏が出演。そしてフィリピンの国民的俳優など豪華キャストが集い、また他国でのロケに挑んでいる。
「第29回東京国際映画祭」は2016年10月25日(火)~11月3日(木)まで六本木ヒルズほかで開催!
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