現代の地方都市を舞台に、ある秘密を抱えた同級生の2人が織りなす、これまでにない切なさを持ったラブストーリーである本作。「田辺・弁慶映画祭セレクション2016」での限定上映では、アート要素の強いチラシや印象的な予告編から「気になる映画」という噂が高まり、瞬く間にチケットが完売。「観たいのに観られない」との声が殺到し、その熱気と支持を受け、劇場公開が決定した。また、9月21日よりロンドンで行われるイギリス最大の映画祭「第24回レインダンス映画祭」のオフィシャルセレクション部門に、『二重生活』『セトウツミ』とともに、日本からの正式招待作品として上映されることが決定している。
主人公の銀役には、『オケ老人!』『ちはやふる』などの映画やドラマで活躍中の若手実力派俳優、萩原利久。ヒロインの成美役には、CMやドラマで女優として活躍しながらも、今年のゆうばり国際ファンタスティック映画祭で監督としても注目を浴びている女優、小川紗良。2人ともに映画初主演でありながら、繊細に揺れ動く言葉にならない感情を見事に演じきった。銀の父親役には怪優、山本剛史。美の母親役にはNHK連続テレビ小説「まんてん」のヒロイン役で人気を博した宮地真緒。さらに影山樹生弥、中村圭太郎、信國輝彦、木村知貴、久保陽香といった実力派俳優が脇を固めている。
今回、劇場公開決定とレインダンス映画祭参加について、主演の2人からコメントが届いている。
萩原利久(岩崎銀役)コメント
まず、撮影期間を振り返ると苦しかったです。繊細な15歳の銀にガムシャラに食らいついて模索してました。それでもわからなくなり毎日監督と話し合ってましたね。そんな撮影もあっという間で、終わってみると苦しかったのも楽しかったという気持ち変わっていました。何が楽しかったのかと言われると未だに何が楽しかったのかわかりませんが。。。海外でも上映されるのはさらに嬉しく思います。撮影当時15歳だった自分が15歳の銀に向き合い、リアルに感じたものが日本の人にも海外の人にも伝わってほしいです。
小川紗良(佐田成美役)コメント
15歳の静かな愛の物語が、再び東京の真ん中で、更には海を越えて、また誰かの心に届くことがとても嬉しいです。無垢で、無知で、無実な「あの頃」を切り取ったこの作品。撮影当時18歳だった私は、ひたすらあの頃の記憶と感覚を思い起こそうとしていたのを覚えています。生まれて初めてスクリーンに飛び込んだ、かけがえのない作品です。誰もが「あの頃」を引きずって生きているのだと思います。ぜひ、この作品を劇場でご覧になって、それぞれの「あの頃」に思いを馳せてみてください。」
ある地方都市の、小さな町。野球が好きな中学三年生の岩崎銀は、学校には行かずにブラブラしているミン、ユウキとつるんでいた。ある日、同級生の佐田成美に突然告白される銀だが断る。銀に振られても屈託のない素振りの成美だが、家に帰ると母親の律子に「高校なんて行かずに風俗行けば?」と言われるなど居場所が無い。さらには律子の恋人である神林アツシにその性を売られようともしていた。そして銀も、自分の父親の知りたくなかった秘密を知る―。重い現実が2人を取り巻いていく中、成美は町から逃げ出し、東京に住む父親の家に行くことを決める。最後のお別れにやって来た成美に対して、銀は突然「俺も行く」 と言い出す。お互いに秘密を抱えたまま、2人の旅は幸福なスタートを切るが、その道程には、新たな現実が待っていた―。
映画『イノセント15』は2016年12月17日(土)よりテアトル新宿にてレイトショー公開!
監督・脚本:甲斐博和
出演:萩原利久、小川紗良、影山樹生弥、中村圭太郎、信國輝彦、木村知貴、久保陽香、山本剛史、本多章一、宮地真緒
配給:TOCA.TOKYO
2016年/日本/88分
©2016「イノセント15」製作委員会