『レット・イット・ビー』(1970)から46年、『ザ・ビートルズ・アンソロジー』(1995)から21年ぶりのアップル公式映像作品である本作。1963年~66年のツアーの様子や、初期のリバプールのキャバーン・クラブ時代から、最後に観客の前で演奏したサンフランシスコ・キャンドルスティック・パーク公演(1996)までを描く。ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、そしてリンゴ・スターの4人がどのように集まり“ザ・ビートルズ”になったか、どのように意思決定がなされ、楽曲が作られ、そして全体のキャリアを構築したのか、さらにユニークな音楽の才能や、突出していて補完しあう個性も探る。
今回ロンドンで行われたワールドプレミアには、ポール・マッカートニーやリンゴ・スター、本作のロン・ハワード監督のほか、エリック・クラプトン、マドンナ、リアム・ギャラガーなどのアーティスト、俳優のマイケル・キートン、「モンティ・パイソン」のマイケル・ペイリン、テリー・ギリアムなどが出席。さらに、オノ・ヨーコやオリヴィア・ハリスンらメンバーの家族、今年亡くなった“5人目のビートルズ”と言われたプロデューサーであるジョージ・マーティンの息子のジャイルズ・マーティンなど、ビートルズの活動に深くかかわった面々が顔をそろえ、そのそうそうたる顔ぶれに姿を現すたびに客席からは歓声がわき起こった。
ポールとリンゴがカーペットに姿を見せると、登場を待ちかねていたファンからはこの日一番の歓声が巻き起こった。2人は満面の笑みを浮かべてハイタッチを交わし肩を組み、リンゴは上機嫌でカメラに向かってピースサインを繰り出した。マイクを向けられたポールは「ワクワクしているよ!」と語り、完成版の手前のラッシュを見たというリンゴは「完成したものを見るのが楽しみだよ」と語った。これにロン・ハワード監督は「いまから『NO』とは言わないでくれよ」と笑みを浮かべる場面も。改めて完成した映画について「エンドクレジットの後にもまだ、ボーナストラックが入っているから楽しんでほしい」とアピールした。
また、映画の中でも描かれるように、ビートルズが世界で最も偉大なロックバンドのひとつとなったことについて、ポールは「決してひと晩で成し遂げたことじゃないよ。リヴァプール、ハンブルグでの活動も長かったしね。とてもじゃないけど、こんなことになるなんて予想もしてなかったよ。リヴァプールでやってたバンドが、一生懸命やって、いま、ここに至っている。それは素晴らしいことだなと思うよ」と感慨深く語った。
本プレミアイベントは、日本でもTOHOシネマズ新宿、TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズ名古屋ベイシティで中継され、深夜にも関わらず多くのファンが劇場に詰めかけた。
映画『ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK - The Touring Years』は2016年9月22日(木・祝)より角川シネマ有楽町ほか全国で公開!
監督:ロン・ハワード
出演:ザ・ビートルズ
配給:KADOKAWA
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