10月7日(金)より新宿、大阪、横浜の3都市で順次開催される同映画祭。全11本の上映作品が発表され、9月17日(土)からオンラインチケット予約と前売り券の販売が開始される。
本年のラインナップには、アカデミー賞名誉賞の受賞が決定した、ドキュメンタリー界の巨匠フレデリック・ワイズマンの新作『ジャクソン・ハイツ』や、アカデミー賞外国語映画賞の各国代表に選出された作品などが上映される。
上映作品
『名誉市民』
原題:El Ciudadano Ilustre
監督:マリアノ・コーン、ガストン・ドゥプラット
出演:オスカル・マルティネス、ノラ・ナバス
2016年/アルゼンチン・スペイン/120分
世界的な成功をおさめた作家ダニエル・マントバーニは、生まれ故郷であるアルゼンチンの町サラスから「名誉市民」としての招待を受け、40年ぶりにヨーロッパから帰国する。彼の小説はサラスでの思い出から着想を得たものも多く、故郷の人々から盛大に歓迎される。幼なじみや昔の恋人とも再会しご満悦のダニエルだったが、まもなく手痛いしっぺ返しを食らうことに・・・。『ル・コルビュジエの家』の監督コンビが放つ異色のブラック・コメディ。2016年のヴェネチア国際映画祭では主演のオスカル・マルティネスが男優賞を受賞。
『盲目䛾キリスト』
原題:El Cristo ciego
監督:クリストファー・マーレイ
出演:ミカエル・シルバ、バスティアン・イノストロサ、アナ・マリア・エンリケス
2016年/チリ、フランス/85分
舞台はチリ北部の砂漠地帯。貧しい村で工員として働く 30 歳のラファエルは、酒びたりの父の世話をしながらひっそりと暮らしている。ある日、ラファエルは砂漠で神の啓示を受ける。最初は誰も彼の話に耳を貸さなかったが、ある出来事を機に周囲の態度が一変し、ラファエルを「キリストの再来」と崇めるようになる・・・。一人の男に宿った神秘的な力を通し、村の生活の過酷さを浮き彫りにしたドキュメンタリータッチの寓話。新鋭クリストファー・マーレイ監督は長編3作目で2016年ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に初選出された。
『KIKI ~愛䛾トライ&エラー~』
原題:KIKI, el amor se hace
監督・出演:パコ・レオン
出演:アレックス・ガルシア、ナタリア・デ・モリーナ
2016年/スペイン/102分
倦怠気味のカップル、パコとアナ。愛だけでなく快楽も欲しい二人は、様々なプレイにトライしてみることに。タブーを冒しながらも彼らのセックス・ライフは変化を遂げ、解放的かつ刺激的な新たな境地に達する・・・。夏のマドリードを舞台に5組の男女の愛とセックスをコミカルに描いたオトナのラブコメディ。監督・主演を務めたパコ・レオン(『地中海式 人生のレシピ』出演)は2005年から2012年まで198話続いたTVドラマ『Aida』の主役として大ブレイク。スペインで最も注目されている人気俳優兼監督の一人。
『THE OLIVE TREE(英題)』
原題:El Olivo
監督:イシアル・ボジャイン
出演:アナ・カスティージョ、ハビエル・グティエレス、ペップ・アンブロス
2016年/スペイン/99分
20 歳のアルマは村の養鶏場で働いている。12年前、庭にあった樹齢2千年のオリーブの大木を、アルマの父親がわずかな金のために売り飛ばしたことをきっかけに、祖父は心を閉ざし、話すことも食べることもやめてしまっていた。祖父の切なる願いを感じ取ったアルマは、オリーブの木を取り戻そうとする。監督は『雨さえも』(LBFF2011出品)のイシアル・ボジャイン。脚本はボジャイン監督の夫で、ケン・ローチ監督作品の脚本家としても知られるポール・ラバティ(第69回カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作『I, Daniel Blake』他)。
『ウイークエンド・セーラー』
原題:The Weekend Sailor
監督:ベルナルド・アルスアガ
出演:サイモン・ル・ボン、ラモン・カルリン、エンリケ・カルリン
2016年/メキシコ・カナダ/74分
ヨットの世界一周レース「ウィットブレッド世界一周ヨットレース」(現ボルボ・オーシャン)がスタートした1973年。注目を浴びたのは実績のあるヨーロッパ勢ではなく無名のメキシコ人セーラー、ラモン・カルリンとその家族が乗ったSAYULAII号だった。素人集団と蔑まれたSAYULAIIは9カ月にも渡る航海で快進撃を続ける。本作は、当時のヨットマンの証言やリオデジャネイロの様子等を織り交ぜながらSAYULAIIの夢の航海を追った海洋ドキュメンタリー。製作は『エリ』(LBFF2013出品)『静かな光』(LBFF2008出品)等の名プロデューサー、ハイミ・ロマンディア。ナレーターは1980年代の洋楽シーンを席巻したデュラン・デュランのボーカル、サイモン・ル・ボン。ヨット愛好家でもあるル・ボンの品格のあるナレーションが映画に華を添える。
『サルサとチャンプルー』
監督:波多野哲朗
出演:島津三一郎、宮沢カヲル、上間清
2007年/日本/100分
約80年前、沖縄からキューバへと渡った移民たちは、差別や戦争、革命を経験しながらも、現地の風土と融合しキューバに根を下ろした生活を営んでいる。スペイン・アフリカ・アメリカの文化が混合したキューバと、中国・日本・琉球、そして戦後のアメリカ占領下での文化が混ざりあった沖縄。複雑な歴史を持つ二つの島と関わり、時代に翻弄されながらもたくましく生き抜いた沖縄移民とその子孫の暮らしに迫っていく。沖縄民謡とサルサをミックスさせたオキナワンサルサバンドKACHIMBA1551の音楽も心地よいミュージカル・ドキュメンタリー。映画評論家として知られる東京造形大学名誉教授・波多野哲朗の初監督作品。出演者の島津三一郎さんはキューバへの日本人移民一世で最後の生存者。今夏、惜しまれながらも108歳で死去している。
『スモーク・アンド・ミラーズ』
原題:El hombre de las mil caras
監督:アルベルト・ロドリゲス
出演:エドゥアルド・フェルナンデス、カルロス・サントス、ホセ・コロナド
2016年/スペイン/123分/配給:ニューセレクト
かつてスペイン政府管轄の秘密組織に属し、テロリストの捜査に当たっていた元スパイのフランシスコ・パエサは、政府の裏切りにより国外での生活を余儀なくされていた。やっとスペインに戻ってきたパエサの元へ、治安警察所長だったルイス・ロルダンが大金を手に現れ、驚くべき依頼をする・・・。1994年に実際に起こった元スパイのフランシスコ・パエサと悪徳官僚ルイス・ロルダンの詐欺事件をベースにした骨太の社会派サスペンス。2015年のゴヤ賞で最多10部門を受賞したスリラー『マーシュランド』のアルベルト・ロドリゲス監督の最新作。
『ジャクソン・ハイツ』
原題:In Jackson Heights
監督:フレデリック・ワイズマン
2015年/米国、フランス/189分
米国ニューヨークのクイーンズに位置するジャクソン・ハイツ地区は、中南米や南アジアからの移民が多く暮らす人種の坩堝だ。人々は母国の言語や文化を大切にしながら独自のコミュニティを形成している。またジャクソン・ハイツ地区には、移民だけでなくセクシャル・マイノリティの人々も多く暮らし、様々な活動を行っている。教会やモスク、コインランドリー、クラブなどに集うマイノリティの日常をやさしい視点でとらえたドキュメンタリー大作。監督は、世界的な業績を残した映画人に送られる米国アカデミー賞名誉賞の受賞が決定したドキュメンタリー界の巨匠フレデリック・ワイズマン。
『彼方から』
原題:DesdeAllá
監督:ロレンソ・ビガス
出演:アルフレド・カストロ、ルイス・シルバ、ヘリコ・モンティーリャ
2015年/ベネズエラ、メキシコ/93分
カラカスで暮らす歯科技工士の中年男アルマンドは道端で好みの青年を見つけると、金を渡して自分の部屋に誘う日常を送っている。目的は買春ではなく、青年を鑑賞することに喜びを感じていた。ある日アルマンドは不良グループのリーダー、エルデルを部屋に誘う。この出会いをきっかけに二人の運命は大きく変わっていく・・・。非情と激情を併せ持つアルマンドを演じたアルフレド・カストロ(『ザ・クラブ』(LBFF2015出品))の圧倒的な存在感が光る。共同脚本はアレハンドロ・G・イニャリトゥ監督作品『バベル』他を手がけた脚本家ギジェルモ・アリアガ。2015年ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞、2017年のアカデミー賞外国語映画部門ベネズエラ代表に選ばれた話題作。
『VIVA(原題)』
監督:パディ・ブレスナック
出演:エクトル・メディナ、ホルヘ・ペルゴリア、ルイス・アルベルト・ガルシア
2015年/キューバ、アイルランド/100分
ハバナで暮らす美しい青年ヘススは、ドラッグクイーンのオーディションを受け、ビバという芸名で女装をしてクラブのステージに立ち始める。そんな彼の元へ15年ぶりに父親が戻ってきた。暴力的な父親との共同生活に翻弄されるヘスス。クラブでの活動にも反対されるが・・・。主演は『キング・オブ・ハバナ』(LBFF2015出品)のエクトル・メディナ。名作『苺とチョコレート』でゲイの芸術家を演じ、鮮烈な印象を残したキューバの名優ホルヘ・ペルゴリアが脇を固める。監督はアイルランド人のパディ・ブレスナックが務め2016年のアカデミー賞外国語映画部門アイルランド代表に選出された。
『600マイルズ』
原題:600 Millas
監督:ガブリエル・リプステイン
出演:ティム・ロス、クリスティアン・フェレール、ノエ・エルナンデス
2015年/メキシコ、米国/85分
武器の密輸を生業にするメキシコ人青年アルヌルフォ・ルビオは彼を捕えようとしたATFエージェントのハリスを誘拐。アリゾナから600マイル先にあるメキシコの麻薬組織の本拠地まで長い旅に出る・・・。メキシコ人青年ルビオ役には『闇の列車、光の旅』のクリスティアン・フェレール。旅の道中、ルビオと心を通わせるハリスをティム・ロスが演じている。ガブリエル・リプステイン監督はメキシコを代表する名監督アルトゥーロ・リプステインの息子で、本作が監督デビューとなる。2015年のベルリン国際映画祭では最優秀新人作品賞受賞。2016年アカデミー賞外国語映画部門のメキシコ代表にも選出された。
チケット情報
【前売券】
1回券(日時作品指定):1,500円
回数券(日時作品未指定/5枚綴り):6,000円
※回数券は数量限定販売
【オンラインチケット予約】
KINEZO EXPRESS、オンラインチケット予約KINEZOスマートフォン用アプリ「キネパス」、劇場窓口
【販売期間】
新宿バルト9:9月17日(土)~10月4日(火)
梅田ブルク7:9月17日(土)~10月19日(水)
横浜ブルク13:9月17日(土)~11月9日(水)
開催場所、日程
東京/新宿バルト9・・・10月7日(金)~10日(月・祝)、14日(金)~16日(日)
大阪/梅田ブルク7・・・10月22日(土)・23日(日)
横浜/横浜ブルク13・・・11月12日(土)・13日(日)
「第13回ラテンビート映画祭」は2016年10月7日(金)より新宿バルト9、梅田ブルク7、横浜ブルク13で順次開催!
公式ウェブサイト