日本初の本格コメディ映画際として台東区で行われる「したまちコメディ映画際in台東」は、「映画」「したまち」「笑い」の3つの要素を掛け合わせ、一体となって盛り上がれる住民参加型を目指した映画祭。日本有数の芸術・文化施設の集積地域である「上野」と、日本の喜劇発祥の地であり、いまなお古き良き庶民文化が脈々と引き継がれている下町「浅草」を舞台に、国内外の新作や旧作から選びぬかれたコメディ作品が上映される。台東区在住のクリエイター、いとうせいこうが総合プロデューサーを務める。
イベントには俳優の斎藤工と、齊藤工の本名名義で監督する作品で音楽を担当する金子ノブアキが登壇し、監督する映画『blank13』についての発表などが行われた。
雨が降りしきる中、上野・不忍池水上音楽堂のステージに登場した斎藤と斎藤が監督する作品『blank13』で音楽を担当する金子。斎藤は「監督という響きにはまだ慣れない」と前置きしつつ、「私の周りには才能が集まっていて、映画という総合芸術の枠組みの中で、そのような才能が交じり合う機会をいただいた」と感謝の気持ちを述べた。同作は撮影は終わっているというが音楽を担当する金子は「まさに進行形」と表現。「裏方として監督を支えて、いいものを作っていきたい」と決意を語った。
同作については斎藤が監督することと、あらすじのみが発表されていたが、今回のイベントにおいてビジュアルが初公開され、主演を高橋一生、さらに父親役にリリー・フランキー、母親役として神野三鈴が出演することが発表された。そのキャスティングについて斎藤は「この人しかいないという配置が、すべてのキャラクターにできました」と自信を持って語った。また、ビジュアルを写真家のレスリー・キーが撮影したことも明かされた。
音楽を担当する金子について、斎藤は「金子ノブアキのソロワークが好きで、ソロの楽曲を聞いたときに、とても深いところに連れて行ってもらった」と尊敬している様子を示した。また「(映画の)総合芸術として、音楽は作品の重要な部分を占めると思っている。どう捉えるのかということに興味があるし、一緒にできたら最高」とオファーした理由を明かした。また、金子は現場に行くなどして、斎藤がこの作品に込めていることを知ってから「もうちょっとあるなと思い、大胆に作り変えた」と全力で取り組んでいる様子を表した。
同作は上映時間などは決まっておらず、公開については「来年を目指しているんですけど、世界中にはたくさんの映画祭があるので挑戦してみたい」と話し、「僕らが当たり前だと思っていることを、海外の人がどう捉えていくか」と映画祭出品への意欲を見せた。
「第9回したまちコメディ映画祭in台東」は2016年9月16日(金)~19日(月・祝)に上野、浅草で開催!
©2016 内山勇士/「したまちコメディ映画祭in台東」実行委員会