中野量太監督、伊藤蒼、杉咲花、宮沢りえ、松坂桃李、篠原ゆき子、駿河太郎

中野量太監督、伊藤蒼、杉咲花、宮沢りえ、松坂桃李、篠原ゆき子、駿河太郎

家族の愛を描いた物語『湯を沸かすほどの熱い愛』の完成披露試写会が9月20日(火)に都内で行われ、主演の宮沢りえ、杉咲花、松坂桃李、中野量太監督らが登壇した。

“死にゆく母と残される家族の愛と絆”を、驚きの展開とラストで描き、涙と生きる力がほとばしる感動の詰まった物語。『チチを撮りに』がベルリン国際映画祭など国内外の10を超える映画祭で絶賛された中野量太監督の商業デビューとなる本作。出演を務めるのは、脚本を読み「心が沸かされた」という宮沢りえ。会う人すべてを包みこむ優しさと強さを持つ“お母ちゃん”双葉役を熱演する。娘の安澄を演じるのは注目の実力派若手女優・杉咲花。頼りないけどなぜか憎めないお父ちゃんを演じるのはオダギリジョー。旅先で双葉と出会い、彼女の母性に触れ人生を見つめ直していく青年の拓海役に松坂桃李。さらに篠原ゆき子、駿河太郎、オーディションで選ばれた新人子役の伊東蒼が新しい家族の物語を彩る。

今回の舞台挨拶には、宮沢りえ、杉咲花、松坂桃李、篠原ゆき子、駿河太郎、伊東蒼、中野量太監督の7名が登壇し、撮影時のエピソードなどを語った。

本作との出会いを「衝撃的に素敵な脚本に出会えた」と表現した宮沢。「その脚本を愛したみんなが、熱量をもって作り上げた作品。心から自信を持ってお届けできる」と笑顔で挨拶した。宮沢演じる双葉の娘を演じる杉咲は、この日の完成披露試写会を迎えることについて「この映画がちょっと遠いところに行ってしまうのが寂しい」と明かしつつも「でも、ついにみなさんに見ていただくことが出来て本当に嬉しいです。もし映画を観て好きだなって思ったら、1人でいいので・・・3人に映画のことを教えてください!」とアピールした。

双葉たちと出会う青年を演じる松坂は「人生に残る作品」と表現し「心に温かく残る作品だと思っています」と感慨深げに語った。また本作が商業デビュー作となる中野監督は「映画学校を卒業して16年経って、ここまで来れたことが嬉しい。素晴らしい俳優陣が集まってくれて、おもしろい本を書けば、僕みたいな新人でも、みなさんにこうやって披露できるということが嬉しいです」と語った。

本作との出会いについて宮沢は「『紙の月』に出演して、次になにをやるのと話していた時に、素晴らしいタイミングでこの本が届いた。中途半端にしたくないから余裕がある時にしか読まないが、この時は余裕があった。読み終わった後に、この作品に参加しなかったら後悔すると思って監督にお会いした」と運命的な出会いであったことを振り返った。また、宮沢と中野監督が同い年であることから宮沢は「同年代の映画人ががんばっているのは、役者としても励みになる」と称賛した。

宮沢との共演シーンが多い杉咲は「光栄な思いと緊張がありました」と振り返った。しかし、撮影していくうちに「緊張していたらよくないと思っていたんですけど、お母ちゃん(宮沢)が『どれだけ現場で時間がかかっても気にしなくていいから』と言ってくださった。宮沢りえさんとご一緒する、必要以上の緊張感が排除された」と宮沢の言葉が励みになり、撮影へもいい影響が与えられたことを明かした。また「今でも大好きでお母ちゃんって呼んでいます」と仲の良い様子を見せた。宮沢は「(杉咲は)器用なほうではないので朝ドラ大丈夫かな、やりたいことやれてるかなって気になります。この映画を通して生まれた家族という感じ」とコメントした。

松坂は「何とも言えないほっこり感をもらった」と雰囲気の良い現場であったことを明かした。宮沢らが演じる家族を見ていると「うらやましくなり、自分も入りたいなと思った。この家族に救われました」と感謝の気持ちを述べた。宮沢は松坂の印象について「共演してみたい役者さんだった」と明かし、「瞳の奥に底がない感じがする。見ていると吸い込まれそうになる。もっともっと知りたい人という感じです」とその魅力を表現した。

撮影中は泣くシーンでの気持ちの入れ方に戸惑ったという伊藤だが「スタートしたら自然に涙が出てきたシーンがあるので、見てもらいたい」と自信を見せた。それに対して宮沢は「その涙を見て自分が揺さぶられて、それで彼女はまた揺さぶられて。お互い太お互いの気持ちを引き出しあう。カメラに映っていなくても120%を超える気持ちでやらないと気持ちが引き出せない」といい意味での緊張感があったことを明かした。そこで杉咲は、撮影中に「突然鼻息が聞こえてきてカットがかかった」と話し、「その鼻息が監督だったんです。集中してお芝居を見ていると鼻息が出てしまうみたいで・・・」と明かし、場内の笑いを誘った。また、杉咲は「鼻息が聞こえて来たら大丈夫なんだと。聞こえてきたら聞こえないフリをするのも大事だなと思いました」と気遣っていたことを明かした。

最後に中野監督は「自身があります」と笑顔で語り「脚本もいい、芝居もいい、これでおもしろくできなかったら燃やすからねと言われた」と明かし、この映画の感想を広めてほしいとアピールした。宮沢は「いつもの風景がちょっと違って、ちょっと素敵になったら嬉しい」とメッセージを贈った。

宮沢りえ

宮沢りえ

杉咲花

杉咲花

松坂桃李

松坂桃李

中野量太監督

中野量太監督

映画『湯を沸かすほどの熱い愛』は2016年10月29日(土)より新宿バルト9ほか全国で公開!
脚本・監督:中野量太
出演:宮沢りえ、杉咲花、篠原ゆき子、駿河太郎、伊東蒼、松坂桃李、オダギリジョー
配給:クロックワークス
(C)2016「湯を沸かすほどの熱い愛」製作委員会