西川美和監督、本木雅弘、樹木希林

西川美和監督、本木雅弘、樹木希林

本木雅弘7年ぶりの主演映画『永い言い訳』の特別試写会トークイベント10月3日(月)に渋谷ユーロライブで行われ、本木雅弘、西川美和監督、樹木希林が登壇した。

『ゆれる』(2006)『ディア・ドクター』(2009)『夢売るふたり』(2012)の西川美和監督が、7年ぶりの映画主演となる本木雅弘を迎え、直木賞候補となった自らの小説を映画化した本作。人気作家の幸夫は、妻が親友とともに不慮の事故で亡くなった時、不倫相手と密会していた。ある日、妻の親友の夫・陽一とその子どもたちに出会った幸男は、幼い彼らの世話を買って出る。誰かのために生きる幸せを初めて知った幸男だが―。主人公の衣笠幸夫役に本木雅弘、さらにミュージシャンの竹原ピストルのほか、池松壮亮、黒木華、山田真歩、堀内敬子、深津絵里などの実力派俳優が名を連ねる。

今回行われたイベントには、主演の本木雅弘、西川美和監督のほか、サプライズゲストとして樹木希林が登壇。結婚にまつわるトークなどが繰り広げられた。

冒頭で「映画が本当の意味で世の中にさらされるというのは、出演者としてもどきどきする瞬間」と現在の心境を明かした本木。西川監督も「5年の歳月が経ち、いよいよ自分の手から離れて、作品がお客さんのものになるんだと実感が湧いてきました」と挨拶した。今後、釜山国際映画祭、ローマ国際映画祭への出品が決まっている本作だが、すでに上映が行われたトロント国際映画祭での上映について西川監督は「日本の感覚とあまりズレはないです」と自信を見せた。また「『ここで笑うの』というところで笑う事はあるけど、カナダ人にも『私は幸夫』だという人もいた」と明かした。

ここで、サプライズゲストとして樹木希林が登壇。本木に出演作のことを聞いた際に、『永い言い訳』というタイトルを聞き「ぴったりじゃないですかと思った」と話すと、場内からは笑いが起きた。また西川監督も樹木から「『タイトルがいいわよ』と言ってくださった」と明かした。本作について樹木は「この映画で西川監督に出会って、いい意味で俳優としてほころびて、破けていく。ほころびをつんでもらった感じがします」と表現。

続けて、事前に観客から集めたアンケートでの“お悩み相談”のコーナーに移り、最初の「人を見る目がなく、恋愛から遠ざかっている」という質問に、樹木は「そういう人と出会うというのは、自分にもそういう部分があるからひきつけあっている」と答え、その人それぞれの性格については「一生変わりません。出し方や受け取り方が年齢を経てテクニックが出てくるけど、根本は変わりません」と断言。自身と夫の内田裕也との関係についても「表向きは向こうが破天荒で、私が尽くしているように見えるけど、破れ具合は私のほうがすごいです」と明かした。

次の「夫に家事を手伝ってもらいたい」との問いには、樹西川監督は「思うようにはいかないんじゃないですか・・・」と答え、樹木とともに洗い物をするなど家事を日常的に行っているという本木について、劇中で「不器用そうにやるのが難しかったんです。料理も手際がよかったし」と明かした。また、樹木は孫に「『お父さんどうしてる?』って聞いたら『洗濯物をたたんでる』と言っていた」というエピソードを語り、本木は「毎回ではないですけど、娘のものをたたんだりしている」と、家事の手伝いを行っていることを明かした。

さらに続けての質問では「結婚はしたいけど不倫をしちゃいそうで嫌だ」という悩みに対し、樹木は「(本木は)そんなことをすると後がめんどくさい。それを考えたらしないみたいです」と代わりに答え、さらに「してみたらいいんじゃないですか?後が大変だと分かったら成熟していくんじゃないですかね」とアドバイスした。また、「年齢とともに恋をしたいという気持ちはなくなりますね」と答えた西川監督に対して、樹木は「物を作ることにエネルギーを費やしちゃうから、そっちまでいかない」と分析した。

最後に西川監督は「つながらなければならないのは家族だけではないし、いろいろな形の人のつながり方があるんじゃないかと考えながら作った作品です。家族とか夫婦とか、そういう関係性に閉じ込められずに受け留めていただけると、自分の周りの世界の見え方も換わってくるかと思います」とメッセージを贈った。

本木雅弘

本木雅弘

西川美和監督

西川美和監督

樹木希林

樹木希林

本木雅弘

本木雅弘

西川美和監督、本木雅弘、樹木希林

西川美和監督、本木雅弘、樹木希林

『永い言い訳』ポスタービジュアル

映画『永い言い訳』は2016年10月14日(金)より全国で公開!
原作・脚本・監督:西川美和
出演:本木雅弘、竹原ピストル、藤田健心、白鳥玉季、堀内敬子、池松壮亮、黒木華、山田真歩、深津絵里
配給:アスミック・エース
©2016「永い言い訳」製作委員会