“死にゆく母と残される家族の愛と絆”を、驚きの展開とラストで描き、涙と生きる力がほとばしる感動の詰まった物語。『チチを撮りに』がベルリン国際映画祭など国内外の映画祭で絶賛された中野量太監督の商業デビュー作。脚本を読み「心が沸かされた」と話す宮沢りえが、優しさと強さを持つ“お母ちゃん”双葉役を熱演。娘の安澄役を注目の実力派若手女優・杉咲花、頼りないけど憎めないお父ちゃんをオダギリジョー、旅先で双葉と出会い、彼女の母性に触れ人生を見つめ直していく青年の拓海役を松坂桃李が演じる。さらに篠原ゆき子、駿河太郎、オーディションで選ばれた新人子役の伊東蒼が新しい家族の物語を彩る。
「奇跡のような素晴らしい時間を重ねて出来上がった作品」と表現した宮沢。杉咲も「現場は本当に素敵な空間でした。みんながこの脚本を愛して、ひとつの方向に向かっていく感じがした」と挨拶した。また、劇中で“頼りない”お父ちゃんを演じるオダギリは「あの・・・胸がいっぱいで何もしゃべれません」と一言つぶやくと、宮沢から「ちゃんとしてください」と突っ込まれる場面もあった。本作が商業デビュー作となる中野監督は「19年7か月、この景色を見るまでにかかりました。この日々があったからこそこの映画が撮れたと思います。このメンバーは、想像していたものを超えてくれました」と感無量の様子。
試写会での評判も高い本作だが、伊東は「監督と『本当の家族になってね』と約束しました」と明かし、宮沢は「嘘がないということが画面に溢れていた」とコメント。また、撮影中にスタッフからの期待値も高かったと言い「『このシーン大好きなんです。楽しみにしています』って言われると頑張ろうって思った」と語った。杉咲も「演技をしている感覚がなかった」とコメントし「人が声を出して、体で演じて、映像になった。この作品に関わることが出来て私は幸せだと思いました」と語った。また、オダギリは本作の試写を数か月前に観たといい、中野監督は「みんなが1年以上前に見ているところを・・・」と笑いを誘った。さらにオダギリは「いい作品に決まっているという思いが強すぎて観る気になれなかった」と話し「宮沢さんをはじめ素晴らしい芝居を現場で見ていた」とコメントすると、宮沢から「一緒にやっていたんですよ。見てたとかやめてもらっていいですか」と再び突っ込まれ、オダギリが苦笑する場面もあった。
本作では途中から物語に参加する松坂だが「前半部分は台本でしか知らなかったので、改めて見ると違うところでグッと来てしまった」と明かした。最後に中野監督は「今日は、この映画はみなさんに観てもらって本当の映画になる日。大きく羽ばたいていくように、どうぞ応援をよろしくお願いします」とメッセージを送った。
映画『湯を沸かすほどの熱い愛』は2016年10月29日(土)より新宿バルト9ほか全国で公開!
脚本・監督:中野量太
出演:宮沢りえ、杉咲花、篠原ゆき子、駿河太郎、伊東蒼、松坂桃李、オダギリジョー
配給:クロックワークス
(C)2016「湯を沸かすほどの熱い愛」製作委員会