第29回東京国際映画祭コンペティション部門上映作品『雪女』の舞台挨拶が10月31日（月）にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、主演と監督を務める杉野希妃、山口まゆ、松岡広大が登壇した。

世界の秋の新作品を中心に、期待の若手から充実のベテランまで、個性豊かな作品が結集して賞を競うコンペティション部門では「世界の今」を感じることができる。本作は、小泉八雲原作「怪談」の一編である「雪女」を新たな解釈のもと、杉野希妃監督が映画化した。杉野監督は雪女とユキの2役として出演している。

本作を撮ろうと思ったきっかけについて「私が雪女を演じたいと思った」と笑顔で語った杉野監督。さらに「得体のしれないものの局地のようなものを、自分が演じることで得られるものが興味深かった」とコメントした。杉野監督演じるユキの娘・ウメ役を演じる山口まゆは「監督は誰だろうと思ったら杉野監督で、初めてお会いするからがんばろうと思った。主演は誰だろうと思ったら杉野さんで、どのように撮影するんだろうというところから始まった」と監督兼主演に戸惑った様子。また、自身も雪女と人間の間の子という難しい役どころで「監督と読み合わせをして、ここは大事にした部分だと言われた。いろいろ考えて、相談しながら出来上がった」とその過程を語った。

本作が映画デビューとなる松岡広大は「緊張はしていけど、オーディションの時に台本をいただいて、この役をつかみたいと思った」とその熱い思いを語り「いいものを作りたいという気持ちで臨んでいました」と明かした。

最後に杉野監督は山口と松岡に対して「これだけ作品に愛情とエネルギーを込めて参加してくださった若いふたりと仕事ができたことを嬉しく思っています。松岡君の役はオリジナルで、そこにも注目して見ていただけると幸いです」と本作をアピールした。