原作は、新鋭作家・山内マリコの同名小説。寂れた国道沿いに大型モールやファミレスなどが並ぶ郊外の街で、捜索願いのポスターをモチーフにしたグラフィティアートが不気味に拡散される。主人公アズミハルコ役を蒼井優、アズミハルコの顔をグラフィティアートとして拡散する若者集団「キルロイ」のメンバーを高畑充希、太賀、葉山奨之の3人が演じる。
本作の特徴でもある“勢いのある”キャスティングについて松居監督は「ワクワクする人がいいと思った」と明かし、主役を演じた蒼井は「行方不明でそれで主演。こんないい仕事があるのかとワクワクしながら読んだら意外と出番があった」と話し笑いを誘った。さらに「監督とプロデューサーと3人が同い年で、普通のお話をいただくより期待値が上がった」と語った。しかし、実際に台本を手にすると「訳が分からない台本だった」とコメント。しかし、蒼井は「30という節目を迎えた3人だったら挑戦してもいいんじゃないかと言われてる気がしてやってみたらこの映画になった」と語った。
若さ溢れる演技を見せるキルロイのメンバーを演じる高畑は「台本を読んでも自分の役が分からず、なにひとつ手がかりが見つからなかった」と振り返った。さらに現場では「『監督分からん』って言ったら『おれにも分からん』って言われて、あてにならないと思った」と話すと場内からは大きな笑いが起きた。しかし蒼井に「『(高畑演じる)愛菜自身も分かってないから分からなくていいんじゃない』って言われて、ああなるほどと思い、ふっきることが出来た」と語った。また、その後はあまりにふっきれたため「結構小道具壊してごめんなさい」と謝罪する場面も。同じくキルロイのメンバーで、劇中で女子高生集団にぼこぼこにされる葉山は「一発だけ本当に殴られてるんです」と明かすと、実際に殴ってしまった花影はすかさず「ごめんなさい、ごめんなさい」と何度も謝った。
本作が初めての映画出演となる石崎は、台本の読み合わせが「人生で一番緊張した」と明かし「下向いてぼそぼそしゃべってたら監督に怒られた」と苦笑い。しかし、2回目の読み合わせで「(蒼井の歯に)のりがはさまってて、そこで緊張がとけた」と暴露。蒼井は「まさかそんなことぶっこまれるとは・・・」と思わず爆笑。おにぎりを食べた理由を「1回目の本読みで(石崎の)声がほぼ聞き取れなかったので、スタミナが必要だと思って食べた」と明かした。さらに本作にちなみ“消えたかったとき”を聞かれた蒼井は「にしたい\わけじゃないけど消えたいって時期はありました。今はないです」と答えた。続けて、高畑は「焼き肉券を10万円分もらった気がして(本作の関係者に)連れてってやるよって言ったけど、今朝数えたら5万円だった」と話し、蒼井に「10人ちょっとで行ったら確実に足りない。みっちゃんそこらへんで路上ライブやって」と突っ込まれ、高畑は「体張るよ!私が悪いんで」と笑いを誘った。
最後に高畑は「1シーン1シーンが目が離せない。見終わった後で何とも言えないパワーを感じて、ちょっと世界が明るくなるような感じがする映画」とコメント、蒼井は「女祭りみたいな映画。見た後に、自分がやってきた情けない話や恥ずかしい話を笑い飛ばせる映画になっています。男性はやけ酒を、女性はお酒を楽しんでいただければ」と本作をアピールした。
映画『アズミ・ハルコは行方不明』は2016年12月3日(土)より新宿武蔵野館ほか全国で公開!
監督:松居大悟
出演:蒼井優、高畑充希、太賀、葉山奨之、石崎ひゅーい、菊池亜希子、山田真歩、落合モトキ、芹那、花影香音、柳憂怜、国広富之、加瀬亮
配給:ファントム・フィルム
©2016「アズミ・ハルコは行方不明」製作委員会