ミディ・ジー監督

ミディ・ジー監督

第17回東京フィルメックスコンペティション部門上映作品『マンダレーへの道』のQ&Aが11月21日(月)に有楽町朝日ホールで行われ、ミディ・ジー監督が登壇した。

アジアの新進作家が2015年から2016年にかけて製作した新作映画から選ばれた10作品を上映する東京フィルメックスコンペティション。本作は、ミャンマーからタイへと違法越境する途中で知り合ったリャンチンとグオが、バンコクで得た仕事先にも及ぶ警察の捜査や、厳しい労働環境に立ち向かう様子が描かれている。

本作が長編4作目となるミディ・ジー監督は、ミャンマー出身で、現在は台湾をベースに活動している。着想について「兄と姉が生活のために密入国して出稼ぎに行った話を映画化したいと思った」と振り返るミディ監督。さらに「物語は20~30年前にさかのぼることが出来るし、今日もこのような出来事が起きている」と過酷な環境に置かれているミャンマーの労働環境を明かした。劇中で話される言葉は雲南省の方言で、ミャンマーには500万人の中国系の人が住んでおり、300万人がタイに不法入国で出稼ぎに言っていると語った。

劇中でグオ役を演じたクー・チェンドンは台湾のスター俳優だが、本作へのキャスティングについて「表現に天才的な部分がある」と賞賛し「ピュアなところ」がキャスティングの決め手だったと明かした。撮影の準備には1年半かけたといい、リャンチン役を演じた台湾の女優ウー・クーシーとは8~9か月共にし、実際の撮影には2か月かけたと語り、その期間に「ミャンマーに連れて行って仕事を体験させたり、タイの工場で労働者の働きぶりを3か月間訓練した」と明かした。

「ショックを受けた」という意見が出るほど衝撃を受けるラストシーンだが、ミャンマーで起きた実際の事件に基づいて描いているという。出稼ぎに行った恋人同士が、ミャンマーに戻り結婚式を挙げた後に事件に発展するという出来事については、家族や、働いていた工場でもインタビューをしたと明かした。

ミディ・ジー監督

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【第17回東京フィルメックス】ポスタービジュアル

「第17回東京フィルメックス」は有楽町朝日ホール、TOHOシネマズ日劇で2016年11月19日(土)~11月27日(日)まで開催!