松居大悟監督、古市憲寿

松居大悟監督、古市憲寿

蒼井優主演『アズミ・ハルコは行方不明』の試写会が11月28日(月)に都内で行われ、上映後のティーチインに松居大悟監督と社会学者の古市憲寿氏が登壇した。

ともに31歳という松居監督と古市氏。古市氏は本作について「不思議とセクシーな映画だった」と表現。松居監督の前作『私たちのハァハァ』には「個人的に惹かれなかった」と話し、本作の試写を観るときには心配していたことを明かした。観た感想として「テンポがよくて、失踪感がある映画だと思った」と笑顔で語り、満足していた様子だった。また、劇中のセリフでは「優雅な生活が最高の復讐」が一番気持ちよかったと語る古市氏。松居監督が「原作を読んで、行方不明がネガティブじゃなく感じた」と語ると、古市氏は「最初は不幸な話だと思った」とコメント。さらに「実はいつでも行方不明になれる、違う道がある」と感じたことを明かした。

キャスティングについて、本作が俳優デビュー作となる石崎ひゅーいについて松居監督は「不思議な人で、2歳上なんだけど、すぐにタメ口をきいちゃう。会いたくなる感じの人」とその魅力を語り、古市氏も「ぬめーっとした感じの演技が好き」と賞賛した。また、劇中でキャバ嬢の愛菜役を演じた高畑充希について松居監督は「『とと姉ちゃん』をやる前に決まっていた」と明かし、古市氏は「この女の子誰と思った。こんな役も出来るんだ」とそのギャップに驚いていた様子。

本作は、次々と場面が変わり、そのテンポのよさが魅力の1つでもあるが松居監督は「説明を排除した」とコメント。続けて「ストーリーを追いかけようとすると混乱すると思う」と語り「感覚的に観てほしい」とアドバイスした。また「とにかく気持ちよくて、人間讃歌みたいになれば」と話す松居監督だが「男が観たらどう思うのだろうか」と不安を口にした。最後に松居監督は「2日後くらいにぶり返してきてほしい映画」とコメントし、古市氏は「何度も見たくなる映画。リアルで気持ちいい映画です」とアピールした。

原作は、新鋭作家・山内マリコの同名小説。寂れた国道沿いに大型モールやファミレスなどが並ぶ郊外の街で、捜索願いのポスターをモチーフにしたグラフィティアートが不気味に拡散される。主人公アズミハルコ役を蒼井優、アズミハルコの顔をグラフィティアートとして拡散する若者集団「キルロイ」のメンバーを高畑充希、太賀、葉山奨之の3人が演じる。

松居大悟監督

松居大悟監督

古市憲寿

古市憲寿

『アズミ・ハルコは行方不明』ポスタービジュアル

映画『アズミ・ハルコは行方不明』は2016年12月3日(土)より新宿武蔵野館ほか全国で公開!
監督:松居大悟
出演:蒼井優、高畑充希、太賀、葉山奨之、石崎ひゅーい、菊池亜希子、山田真歩、落合モトキ、芹那、花影香音、柳憂怜、国広富之、加瀬亮
配給:ファントム・フィルム
©2016「アズミ・ハルコは行方不明」製作委員会