11月26日より先行公開されている京都での初日舞台挨拶の雰囲気を問われた松雪泰子は「上映後の挨拶のとき温かい笑顔で迎えられて嬉しかったです。監督をはじめスタッフ、キャストとともに一生懸命取り組んだ作品ですので、受け入れていただいてよかったです」と感謝の気持ちを述べた。演じた役について橋本愛は「マイちゃんは自分の意志や芯みたいなものがすごく弱い女の子だったので、やっている間も自分も芯みたいなものを掴まないままやっていたので、すごくフワフワしていて、撮っている間は水の中にいるような浮遊感があった」と語り、これだけ何もなくて大丈夫かと不安になったことがあったと明かした。
成美が演じる役は自分の才能を信じて世界に飛び出していくという役柄で、世界に挑戦する同世代についての考えを問われると「素晴らしいと思います」と感心した様子を見せた。共感する点については「脚本を読ませてもらったときから、自分のこと過信する時とか現実を思い知るとか、どんな人にも経験したことあるのかな・・・あぁ、あるな」と感じ、この役をやりたいなと思ったことを語った。
京都での撮影エピソードを問われた伊原は「現場で町家の家を使わせてもらって、良い着物を着せてもらって、綺麗な奥さんと可愛い娘に囲まれて。ほんわかとただ僕は居ただけです」と語り、会場を笑わせた。葉山は自分の視点から作品を観た感想について「本当にきれいなところが写っていて、関西出身ですけどあまり京都に行ったことがなくて、こんなにも綺麗なんだ…着物を着て行きたい」と語り、3日間の撮影は大変満喫した様子で、京都の魅力を再確認した。
新山は、監督から声がかかったことがきっかけで、本作のエンディング曲を担当することになった。映像を見て「京都の景色がとても美しくて、私なりにそっと寄り添えるように歌おうという気持ちで歌いました」と語り、改めて本作を観て「一つひとつの表情、仕草が繊細で綺麗で。自然とその世界に入り込めるような映画でした」と、作品の美しさに感銘を受けていた。
川端康成の「古都」を、京都とパリという二つの“古都”を舞台に、原作では描かれなかった“大人になった主人公たち”の物語として映像化した本作。主演を務める松雪泰子は、京都の呉服屋の姉・佐田千重子と、京都伝統の北山杉の里で働く双子の妹・中田苗子を一人二役で演じる。千重子の娘・佐田舞役を橋本愛、苗子の娘・中田結衣役を成海璃子、さらに蒼れいな、蒼あんな、葉山奨之、栗塚旭、伊原剛志、奥田瑛二らが共演。監督を務めるYuki Saitoは、ハリウッドで8年映画作りを学び、満を持して本作のメガホンを取った。世界視点から、日本が誇る京都の美しさ、凛とした“日本の精神”を五感で体感できる作品に仕上げた。
【取材・写真・文/蔭山勝也】
映画『古都』は2016年11月26日(土)より京都先行公開、12月3日(土)より全国で公開!
監督:Yuki Saito
出演:松雪泰子、橋本愛、成海璃子、蒼れいな、蒼あんな、葉山奨之、栗塚旭、迫田孝也、伊原剛志、奥田瑛二
配給:DLE
(C)川端康成記念會/古都プロジェクト