戦後日本文学の最高峰とも称される遠藤周作の「沈黙」(新潮文庫刊)をマーティン・スコセッシが映画化した本作。17世紀江戸初期、激しいキリシタン弾圧の中で棄教したとされる師の真実を確かめるために、たどり着いたポルトガル司祭の目に映った想像を絶する日本。人間にとって本当に大切なものとは何かを壮大な映像で描く。アンドリュー・ガーフィールド、リーアム・ニーソン、アダム・ドライバーに加え、窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮ら実力派豪華キャストが集結。
11月29日(現地時間)に発表された、映画賞レースの前哨戦となる「ナショナル・ボード・オブ・レビュー」では“トップ10作品”に選ばれ脚色賞に輝いた本作。11月30日(現地時間)には、バチカン宮殿にて司祭のための試写会が行われ、マーティン・スコセッシがローマ教皇フランシスコ(ローマ法王)と謁見、長崎の隠れキリシタンが250年にもわたる弾圧の中守りぬいた17世紀の聖母画「雪のサンタマリア」(日本二十六聖人館蔵)の写真を贈ると、イエズス会派の教皇は「沈黙」を読んだことがあると話し、全世界の注目を集めた。そして、12月4日(現地時間)に発表されたロサンゼルス批評家協会賞では、激しいキリシタン弾圧を推し進める井上筑後守を演じた日本人俳優のイッセー尾形が、助演男優賞の次点に選ばれた。
今回、この快挙を記念して、イッセー尾形が演じる井上奉行の姿をとらえた場面写真が解禁された。イッセー尾形が演じる井上筑後守とは、残忍な弾圧政策を推し進める危険人物と噂されながら、物腰柔らかなそぶりで宣教師のロドリゴに棄教を迫り、追い詰める狡猾な人物。写真は、山中で囚われた隠れキリシタンとロドリゴの前に現れ、「転べ」と迫る井上の姿をとらえたシーン。猛暑と土埃に閉口しながら、手にした扇子で顔にまとわりつくハエを払っている様子が写しだされている。
また、12月4日(現地時間)にロサンゼルスで行われた初の一般試写会で700人近い観客の前に登壇したマーティン・スコセッシ監督は、イッセー尾形が演じる井上のキャラクターは、既にオーディションの時に出来上がっていたと語った。「扇子捌き、蠅をピシャリと打つ動作、口の中の埃、彼が意気消沈する瞬間、私たちは皆、お互いに顔を見合わせて『OK』と言ったんだ」。ロドリゴを演じたアンドリュー・ガーフィールドも共演者であるイッセー尾形の演技を高く賞賛する。「ヘビ使いと一緒の部屋にいたようなものだ。あなたはヘビであり、同時に食べられてしまう人でもあった」。いち早く評価されたイッセー尾形の熱演、そして若き宣教師ロドリゴが見た想像を絶する日本と彼を待ち受ける過酷な運命とは―。人間にとって本当に大切なものとは何かを、壮大な映像で問いかける歴史大作に世界の注目が集まる。
映画『沈黙-サイレンス-』は2017年1月21日(土)より全国で公開!
監督:マーティン・スコセッシ
原作:遠藤周作「沈黙」(新潮文庫刊)
出演:アンドリュー・ガーフィールド、リーアム・ニーソン、アダム・ドライバー、窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮、笈田ヨシ
配給:KADOKAWA
Photo Credit Kerry Brown
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