早くも賞レースを賑わせている『MOONLIGHT(原題)』が『ムーンライト』の邦題で2017年に全国で公開されることが決定した。
本作は、マイアミを舞台に、自分の居場所とアイデンティティを探すある少年の成長を[少年期][ティーンエージャー期][大人になるまで]と3つの時代構成で描く。ドラッグ、いじめ、虐待、父親の不在など、たくさんの傷を負いながらも、強く生きる主人公の姿が魅力的な作品。エグゼクティブプロデューサーをブラッド・ピットが務め、麻薬常習者の母親を『007』シリーズのナオミ・ハリス、主人公の少年の面倒を見る麻薬ディーラーを人気ドラマ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」のマハーシャラ・アリが演じる。
アカデミー賞に向けた賞レースの幕開けとなった第一弾の「第26回ゴッサム・インディペンデント・フィルム・アワード」では、作品賞、審査員特別賞、観客賞、脚本賞の最多4部門を受賞。この賞は、本年度の『スポットライト 世紀のスクープ』をはじめ、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』や『それでも夜は明ける』と、作品賞を受賞した作品がそのままアカデミー賞作品賞に輝いた実績もあり、期待が高まる。また、インディペンデント・スピリット賞では、最多6部門ノミネート(作品、監督、脚本、撮影、編集、アンサンブルキャスティング)、ニューヨーク批評家協会賞では、監督賞、撮影賞、助演男優賞の3部門受賞。また、今週発表されたロサンゼルス映画批評家協会賞では、作品賞、監督賞、助演男優賞、撮影賞の最多4部門で受賞を果たし、本年度のオスカー最有力候補として、早くも話題を呼んでいる。
現在の賞レースの状況
★「シカゴ映画祭」観客賞受賞
★「ゴッサムアワード」作品賞、審査員特別賞、観客賞、脚本賞受賞
★「ナショナル・ボード・オブ・レビュー」監督賞、助演女優賞(ナオミ・ハリス)受賞
★「NY批評家協会賞」監督賞、撮影賞、助演男優賞受賞
★「ブリティッシュ・インディペンデント賞」ベスト・インターナショナル・インディペンデント映画賞受賞
★「アトランタ映画批評家協会賞」助演男優賞受賞
★「ロサンゼルス映画批評家協会賞」作品賞、監督賞、助演男優賞、撮影賞受賞
☆「インディペンデント・スピリット賞」6部門ノミネート(作品、監督、脚本、撮影、編集、アンサンブルキャスティング)
☆「サテライト賞」7部門ノミネート(作品、監督、脚本、助演男優、助演女優、撮影、編集)
☆「ブロードキャスト批評家協会賞」8部門ノミネート(作品、監督、脚本、撮影、編集、作曲、助演男優、助演女優)
☆「ワシントンDC映画批評家協会賞」8部門ノミネート(作品、監督、助演男優、助演女優、アンサンブル、脚本、編集、音楽)
学校では“チビ”(Little)というあだ名でいじめられ、麻薬常習者の母親のポーラ(ナオミ・ハリス)からは育児放棄をされているシャロン(アレックス・ヒバート)はマイアミの貧困地域で暮らしている、内気な性格の男の子。生活の中で行き場を失ったシャロンだったが、彼にとっての唯一の救いは、自分の親代わりになってくれる、近所に住む麻薬のディーラーの男(マハーシャラ・アリ)ホアンとその妻、そしてたった一人の男友達のケビンだった。そんな日々の中、シャロンは、ケビンに惹かれている自分に気づく。しかし、このコミュニティでは、この感情は受け入れてもらえないと、幼いながらも勘づいていたシャロンは、誰にも、もちろんケビンに対してもそのことを伝えられずにいた。そんな時、ある事件が起きる―。
映画『ムーンライト』は2017年に全国で公開!
監督・脚本:バリー・ジェンキンス
出演:トレバンテ・ローズ、アッシュトン・サンダース、アレックス・ヒバート、マハーシャラ・アリ、ナオミ・ハリス、アンドレ・ホーランド
配給:ファントム・フィルム