今回のイベントには、松居大悟監督の『自分の事ばかりで情けなくなるよ』(2013)と『私たちのハァハァ』(2015)に出演し、ともに福岡県出身で親交があるという池松壮亮が登壇。『私たちのハァハァ』出演時には、松居監督に「もう青春映画はしばらくやらないほうがいいと思う」とアドバイスをしたという池松。プライベートでも仲が良いという二人ならではの和気藹々としたイベントとなった。
本作を3日前に劇場で鑑賞したという池松は「僕の声は参考にならない」と前置きをしつつ「よく分からなかったです」とコメントすると、松居監督は思わず「ウソでしょ?」と驚いている様子だった。さらに「最初に悪口を言って、後から褒めますね」と、劇中の印象的なシーンでもある“少女ギャング団”が気に入らなかったと池松ならではの感想を語ると、松居監督は「居場所がないのを分かりながらも居場所を作ろうとする20代がいるから、10代はそれよりも強くなきゃいけないと思った」と振り返った。
続けて「蒼井優さんはいっぱいオファーがあったと思うんですけど主役を引き受けたので松居さんは引きがすごいなと思いました。蒼井さんも、石崎さんも、高畑さんもよかった」と池松が絶賛すると、松居監督は「珍しい」と照れている様子を見せた。また、良かった点を聞かれた池松は「ラストシーン」と答えたが、松居監督に「ラストのよさで(気に入らなかった点は)取り戻せるの?」と聞かれると「それは居酒屋に持ち込みましょう」と明言を避ける場面もあった。
また、本作への感想が気になる松居監督は「エゴサーチすると出てくる」とSNSなどでの感想を見ていることを明かしたことに対して「するからいけないんですよ」と呆れた表情を見せる池松。しかし「松居さんとはよく会うんですけど、今までで一番難解なものに立ち向かっていると分かりました」と“エゴサーチ”してしまうことへの一定の理解も示した。さらに、もっと多くの人に見てもらうために「松居さんも僕も広げていかなきゃいけないと思ってるけど、僕は『デスノート(Light up the NEW world)』やったんで」と話すと、場内は笑いに包まれた。
この日、池松からプレゼントされたというTシャツを着て登壇するほど仲の良い様子を見せる松居監督。最後に池松は「親愛なる松居大悟監督が新作を発表して本当に嬉しいです。蒼井さんがこのタイミングで松居さんの映画の主役を引き受けて、こういう映画が出来て嬉しい」とメッセージを贈った。
原作は、新鋭作家・山内マリコの同名小説。寂れた国道沿いに大型モールやファミレスなどが並ぶ郊外の街で、捜索願いのポスターをモチーフにしたグラフィティアートが不気味に拡散される。主人公アズミハルコ役を蒼井優、アズミハルコの顔をグラフィティアートとして拡散する若者集団「キルロイ」のメンバーを高畑充希、太賀、葉山奨之の3人が演じる。
映画『アズミ・ハルコは行方不明』は新宿武蔵野館ほか全国で公開中!
監督:松居大悟
出演:蒼井優、高畑充希、太賀、葉山奨之、石崎ひゅーい、菊池亜希子、山田真歩、落合モトキ、芹那、花影香音、柳憂怜、国広富之、加瀬亮
配給:ファントム・フィルム
©2016「アズミ・ハルコは行方不明」製作委員会