上野水香、岡見さえ

天才振付師ミルピエの挑戦を追うドキュメンタリー映画『ミルピエ ~パリ・オペラ座に挑んだ男~』の公開を記念したトークイベントが12月15日(木)に都内で行われ、東京バレエ団にプリンシパルとして所属するバレエダンサーの上野水香と舞踏評論家の岡見さえが登壇した。

自身もバレエダンサーとして活躍する上野は、本作を鑑賞して、ミルピエが「ダンサーたちと作り上げていく葛藤と情熱のストーリーが楽しめる作品」とコメント。また、ミルピエのような人がいたらどう思うかを聞かれた上野は「エネルギーを持っている方なので最初は戸惑うかもしれない・・・」と悩みつつ「彼がダンサーたちに愛情深く接している姿が印象に残っている。ダンサー思いの方で、ダンサーにとってはありがたい指導者です」と称賛した。

本作には日本ではまだ紹介されていない若手のダンサーが登場するが、印象に残っているダンサーを聞かれた上野は「私自身がダンサーなので、誰と組みたいかを考える(笑)」と答え「私が背が高くてパートナーに困るので、背が高くて魅力的なダンサー、この中ではユーゴ・マルシャン」と名を挙げた。

最後に本作について上野は「バレエの世界は華やかで美しいけど、その裏で苦悩して努力して作り上げています。彼らの情熱や希望、不安などの感情が交錯してドラマになっているので、見終わった後に情熱を持って生きていこうとなると思います」と本作をアピールした。

世界最高峰の芸術を提供する“パリ・オペラ座”の芸術監督に史上最年少で就任した天才振付師バンジャマン・ミルピエ。『ブラック・スワン』の振付師で、女優ナタリー・ポートマンの夫として知られる彼は有力候補を押しのけ、史上最年少でパリ・オペラ座の芸術監督に大抜擢される。350年以上の歴史と伝統を誇る名門に挑み、次々と革新をもたらしていくが、就任後わずか1年半ほどで芸術監督を辞任する。なぜミルピエは起用され、辞任へと導いたのか?彼はパリ・オペラ座に何をもたらしたのか?本作では、ミルピエの芸術監督として初の仕事であり、彼が歴史と伝統に対峙しながら挑む演目『Clear, Loud, Bright, Forward』のバックヤード、そして完成までの道程をスタイリッシュかつ圧巻の映像美で描いている。


映画『ミルピエ ~パリ・オペラ座に挑んだ男~』は2016年12月23日(金・祝)よりBunkamuraル・シネマほか全国で公開!
監督:ティエリー・デメジエール、アルバン・トゥルレー
出演:バンジャマン・ミルピエ、レオノール・ボーラック、ユーゴ・マルシャン、ジェルマン・ルーヴェ、アクセル・イーボ
配給:トランスフォーマー
2015年/フランス/110分
©FALABRACKS,OPERA NATIONAL DE PARIS,UPSIDE DISTRIBUTION,BLUEMIND,2016