東京国際映画祭の「国際交流基金アジアセンターpresents CROSSCUT ASIA」部門は、国、監督、俳優、テーマなどさまざまな切り口のもとでアジア映画を特集している。タイ、フィリピンに続き、第29回東京国際映画祭では「カラフル!インドネシア」と題してインドネシア映画を特集した。宗教、民族、ジェンダーなど現代社会が抱えるテーマや愛のかたちを豊かな表現で描く若手作家たちの作品が紹介された。
今回、本企画が「カラフル!インドネシア2」と題して、新たな切り口で魅力溢れるインドネシア映画を携えて帰ってくることが決定した。古典から日本初上映を含む若手作家の注目作、音楽ドキュメンタリーまで、多様な映画を女性プロデューサー、メイクス・タウリシアとともにセレクトしたラインナップ。
上映作品は、日本初上映を含む長編5本のほか、短編映画もまとめて上映予定。
上映作品
『三人姉妹(デジタル修復版)』(1956年/115分)
監督:ウスマル・イスマイル
出演:チトラ・デウィ、ミカ・ウィジャヤ、インドリアティ・イスカック
母を早くに亡くし、父と祖母に育てられたヌヌン、ナナ、ネニーの美人三姉妹。祖母と父は長女ヌヌンを早く結婚させようと企むが・・・。社会派監督だったウスマル・イスマイルが、ハリウッドからヒントを得て製作したミュージカル映画。2016年にはニア・ディナタ監督によって本作のリメイクが製作され、東京国際映画祭CROSSCUT ASIAで上映された。
9808 -インドネシア民主化10年目のアンソロジー(2008年/115分)
監督:ウィスヌ・スルヤプルタマ、ウチュ・アグスティン、オッティ・ウィダサリ、スティーヴ・ピラー・スティアブディ、ハフィズ、ルッキー・クスワンディ、アングン・プリアンボド、イファ・イスファンシャー、エドウィン、アリアニ・ダルマワン
1998年5月に起きたジャカルタ暴動、そしてスハルト政権崩壊から10年の節目に、10人の映画監督、アーティスト、ミュージシャンなどがそれぞれの観点から短編を製作し、アンソロジーとしてまとめたもの。7つのフィクションと3つのドキュメンタリーから構成される。釜山国際映画祭やロカルノ映画祭で上映され、話題となった。
禁断の扉(2009年/115分)
監督:ジョコ・アンワル
出演:ファクリ・アルバル、マルシャ・ティモシィ、アリオ・バユ
彫刻家のガンビルは、仕事も私生活も充実した日々を送っていた。ある日、「助けて!」と書かれたメッセージを自宅で発見。そのメッセージを追うと、会員制のクラブへとたどり着く。そこには決して開けてはいけない禁断の扉があった…。鬼才、ジョコ・アンワルが、インドネシアのベストセラー小説を映画化したサイコホラー。
Siti(2014年/88分)
監督:エディ・チャフヨノ
出演:チェルシー・ベッティド、ティティ・ディビオ、ディリア・ヌスワントロ
エディ・チャフヨノの長編2作目。半身不随の夫と息子、そして義母を養うために、昼は海でスナックを売り、夜はカラオケのホステスとしてがむしゃらに働くシティ。だが、夫は口を閉ざし、どんなに献身的に尽くしてもシティを拒む。シンガポール国際映画祭をはじめ、国内外の多くの映画祭で上映、受賞した必見の作品。
White Shoes & The Couples Company in Cikini(2016年/84分)
監督:ヘンリー・ファウンデーション
出演:White Shoes & The Couples Company
ジャカルタで2002年に結成された、気鋭のポップグループWhite Shoes & The Couples Company。彼らのチキニでのライブを追ったドキュメンタリー。インドネシアの伝統音楽を組み込んだ斬新でポップなスタイルは、インドネシア国内のみならず米国、日本でも話題となった。彼らを知らなくても楽しめる一本。
上映スケジュールは、 アテネ・フランセ文化センター、 国際交流基金アジアセンターのウェブサイト上で発表される。
カラフル!インドネシア2
日程:2017年1月25日(水)~28日(土)
会場:アテネ・フランセ文化センター(千代田区神田駿河台2-11 アテネ・フランセ4F)
来日ゲスト:エディ・チャフヨノ(映画監督)、メイクス・タウリシア(プロデューサー)(予定)
※1月28日(土)上映後にシンポジウムを開催予定