本作『ポッピンQ』を作ったきっかけを問われた宮原監督は「他の番組でCGでダンスの映像をやっていた。それを活かして映画にできないか」と話し「CGの技術も進んで、映画のクライマックスになるところまできたんだろうなと感じて、それを試したかった」と語った。キャラクターの深層心理といった細かい部分まで描かれている点について「音楽、アクションと派手派手でいくと観たあとに何も残らないと思って、女の子の気持ちといったストーリーをつけた」と明かした。
それぞれのキャラクターの誕生について問われると「最初は伊純ちゃんで、主人公のストーリーを中心にして、その伊純と対比してストーリーが作れるような感じで他の4人をアニメ的に配置してストーリーを作った」と語る。本作のキーワードでもある“同位体”について宮原監督は「主人公たちが自分と見つめ合って葛藤していく。その時にもう一人自分の気持ちをわかっている存在を作っておくと、話し的にもスパイスが効いて掛け合いができるんじゃないか」といった発想があったと語った。歌やダンスへのこだわりについて「成長過程」を意識したと語り、初心者がダンスを覚えていくといった部分は「結構頑張りました」と話し「踊れる人が下手に踊るというのがすごく大変らしいです。そこは鬼の監督になりました」と苦労があったことを明かした。
ここで、本作の宣伝隊長として芸人の永野がサンタクロースのコスプレで登壇し、ネタを披露すると会場から歓声が湧き上がった。応援のポイントを問われ「ダンスで世界を救うところ」と答え、一番良いところだと語る。宮原監督と初対面だと明かした永野は「すごく優しい方で、人間の中で一番好きです。親より好きです!」と告白するも、宮原は「腹黒いです(笑)」と切り返し、会場を笑わせた。
永野から宮原監督に「15歳の女の子たちの気持ちは、どうやって研究したのか」と質問を投げかけると「結構、アイドル番組とか観ますね」と答え、まっすぐな理由に永野は驚きを見せるも「もうひとつ、22歳の娘がいますから(笑)」と付け足し、会場からは納得した様子が伺えた。
思春期の真っ只中で悩みを抱えた5人の女の子が出会い、ぶつかり合い、絆を育みながら成長していく特別な時間の物語。個性的な“5人のヒロイン”を瀬戸麻沙美・井澤詩織・種﨑敦美・小澤亜李・黒沢ともよが演じる。思いが交錯する青春ストーリーに、ダンスと音楽の華やかさが加わり、さらにドラマティックな設定にヒロインたちの魅力があふれ出す。監督を務めるは「プリキュア」シリーズでダンス映像を手がけてきた宮原直樹。
【取材・写真・文/蔭山勝也】
映画『ポッピンQ』は2016年12月23日(金・祝)より全国で公開!
監督:宮原直樹
声の出演:瀬戸麻沙美、井澤詩織、種崎敦美、小澤亜李、黒沢ともよ、田上真里奈、石原夏織、本渡楓、M・A・O、新井里美、石塚運昇、山崎エリイ、田所あずさ、戸田めぐみ
配給:東映
©東映アニメーション/「ポッピンQ」Partners 2016