本作を観た感想を問われた黒田は「すごくいい映画だと。音楽の映画で最後まで観るってなかったんですけど、観ちゃいましたね」と語り、トランペット奏者として“わかるわかる!” といった印象だったと答え、劇中の“音が出なくなる時期”は黒田自身も過去に経験を明かし「二十歳くらいの時に、バスケットで唇を怪我して。ひと針縫って半年くらい吹けなかった。あれは辛い」と過去を振り返る。柳樂から「吹けなかった時は何をしていたのか」と問われると「またバスケットしてました。怪我しないように(笑)」と答え、笑いを誘った。
憧れの場所を問われると「ニューヨークにあるジャズ・クラブのヴィレッジヴァンガード。演奏以外お金儲ける気がない、純粋に音楽だけをサービスにしてる店はニューヨークでも数少ない。ほかはお金積めば貸し切りとかできるけど、ヴィレッジヴァンガードはできない」と語る。
人種問題について「結構、別け隔ては無くなった」と答え「彼らの誇りや、他の人種の方には理解することのできないコンプレックスがある。その裏返しで、自分たちが作り上げた音楽は人一倍守ろうというのが分かる」と黒田は感じているそう。熱く語る黒田の額には汗が滲み、それを見た柳樂は「大阪の時めちゃくちゃ汗かいたらしいですね」と指摘すると「違う、今日は膝まで汗かきます。それぐらい頑張りますって言ったんです」そんなにかいてない?と返されると「ヘソまでは」と大汗だったことを明かした。
最後に黒田は「あんまり海でトランペット吹かないほうが・・・塩で錆びるので。あれは観てて思いましたね。そこはツッコんでおかなければいけない(笑)」と語り、笑いが起こった。
1950年代のジャズシーンを代表するトランペッターでシンガーのチェット・ベイカー。マイルス・デイヴィスをも凌ぐ人気を誇ると言われて一世を風靡したが、麻薬に身を滅ぼし過酷な日々を送っていた。本作は、天才ミュージシャンの転落と苦悩を描くとともに、一人の女性との出会いを描いたラブストーリー。主演のイーサン・ホークは6か月に及ぶトランペットの集中トレーニングを受け、歌も披露している。
【取材・写真・文/蔭山勝也】
映画『ブルーに生まれついて』はBunkamuraル・シネマ、角川シネマ新宿ほか全国で公開中!
監督・脚本:ロバート・バドロー
出演:イーサン・ホーク、カルメン・イジョゴ、カラム・キース・レニー
配給:ポニーキャニオン
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