“人間らしく生きるとは何か”を考える映画祭「アムネスティ・フィルム・フェスティバル2017」が1月28日(土)・29日(日)に東京・ヤクルトホールにて開催される。
今回で第6回となるアムネスティ・フィルム・フェスティバルは「今日、映画を観る自由があった―」をキーワードに、2007年より2年に1度開催され、今年で10年の節目を迎える。最後の開催となる今回は、2日間に渡って、劇場未公開作品を含む8作品が上映される。混迷を深めるシリア紛争、収束の兆しが見えない難民危機、グローバル化と格差拡大など、私たちが生きるこの世界で現実に起きているさまざまな問題を力強く、時にはユーモラスに伝える。
今回の上映作品には、「人間らしく生きたい」という一人ひとりの願いを共通点にして描いた8作品がラインナップされている。紛争下で傷ついた女性を救い続けるコンゴ民主共和国の医師を追った衝撃作『女を修理する男』(2015/劇場未公開)、ファストファッションの知られざる真実を掘り下げた『ザ・トゥルー・コスト』(2015)、イスラエル政府の密告者であったためにパレスチナを追われた男とその家族の苦悩を見つめた『密告者とその家族』(2011)などの話題作が並ぶほか、ブラジル発の『ヴィック・ムニーズ/ごみアートの奇跡』(2011)では、ごみ処理場で働く人びとがアート・プロジェクトに参加することで人生を見つめ直し、尊厳を取り戻していく姿を描いている。
アムネスティ・フィルム・フェスティバル2017
開催日:2017年1月28日(土)10:30 受付開始/11:00 開映、1月29日(日)10:00 受付開始/10:30 開映
会場:ヤクルトホール(港区東新橋1-1-19 ヤクルト本社ビル) 「ヤクルトホール」公式サイト
チケット価格:2日券3,700円/1日券2,500円/当日券2,700円(いずれも学生割引あり)
チケット購入方法:オンライン(申込締切/1月20日 18:00)、郵便振替(申込締切/1月18日)
※上映スケジュールやチケット購入方法など詳細は こちら
注目作品
上映:1月28日(土)13:30~15:03
監督:アンドリュー・モーガン
(2015年/アメリカ/93分/ドキュメンタリー)
服の価格が下がる一方で、労働者や環境が負担するコストは劇的に上昇してきた。ファストファッションを巡る知られざるストーリーに光をあて、「本当のコストを支払っているのは誰か」を掘り下げていくドキュメンタリー。
上映:1月28日(土)16:05~17:58
監督:ティエリー・ミシェル、コレット・ブラックマン
(2015年/ベルギー/113分/ドキュメンタリー)
戦火が絶えないコンゴ民主共和国。産婦人科医ムクウェゲは、紛争下で命を狙われながらも性暴力を受けた女性の治療と精神的回復に身を捧げる。女性たちの衝撃的な証言、背景にある「紛争鉱物」の実態にも迫る。
上映:1月29日(日)16:05~17:29
監督:ルーシー・シャツ、アディ・バラシュ
(2011年/アメリカ、イスラエル、フランス/84分/ドキュメンタリー)
密告者としてイスラエルに通じていたためにパレスチナを追われた男が、妻と子どもを連れてテルアビブに移住する。パレスチナからは裏切り者とされ、イスラエルからは正式な滞在許可をもらえず困窮する一家に事件が起こる。山形国際ドキュメンタリー映画祭2011インターナショナル・コンペティション大賞受賞。
上映:1月28日(日)17:50~19:31
監督:ヤセミン・サムデレリ
(ドイツ/2011年/101分)
1960年代半ばにドイツに移住したトルコ系移民のフセイン。50年経ったある日、トルコで家を買ったので見に行くと言い出し3世代家族が里帰り。 “ホーム”とは何か、それぞれの葛藤をユーモラスに描く。