本作は『ハピネス』『ストーリーテリング』などで、様々なタブーに触れながら人生のバカバカしさ、人間の愚かさをブラックユーモアたっぷりに描き、観る者に爆笑と気まずい気分を提供してきたアメリカン・インディペンデント界の鬼才トッド・ソロンズ監督の最新作。アメリカをさまよう1匹の可愛いダックスフントと、その飼主となる冴えない人々の姿を描く物語。可愛いすぎる子犬の姿と、トッド・ソロンズが贈る容赦ないブラックな描写に登場人物たちのドラマが混じり合い、未体験の笑いを提供する。
今回、本作『トッド・ソロンズの子犬物語』の本編映像を使用した劇場マナー映像が解禁された。映像に登場するのは、本作に登場する可愛いダックスフントと、その飼主となる残念な登場人物たち。おかしなBGMに合わせて「ファックと叫ばないで」「人をボコボコにしないで」「シャブをやらないで」など、トンデモマナーを啓蒙する映像となっている。さらにマナー映像のBGMとして流れる音楽は、劇中に挿入されるインターミッションのBGM「トッド・ソロンズの子犬物語のバラッド(原題:「The ballad of Wiener-Dog」)」。「ウィンナードッグ ウィンナードッグよ、天使も恐れる地をひたすら行く」「行動は群れだが伝説は一人歩きした」など、ダックスフントがトボトボ歩いているだけの映像なのに大袈裟な歌詞となっており、「クセになる」という声と、「気が変になりそうだ」という意見に分かれているという。
「このクソ犬!ファック!!」
「このクソ犬!ファック!!」と下品な言葉でダックスフントをしつけようとするのは、一番最初にダックスフントの飼い主になる病弱な男の子・レミの父親・ダニー。妻は死んだ目で、息子にトンデモなくブラックな作り話で子犬の去勢手術をさせようとするディナ(ジュリー・デルピー)。
「人をボコボコにしないで!」
レミの後にダックスフントの飼い主になるのは、心優しい獣医、ドーン・ウィーナー。コンビニで再会した、見るからにクズっぽい男はドーンの憧れの同級生、ブランドン。彼が学生時代に行っていた心ない暴力、イジメを、自身もいじめられっ子だったのにまるで青春の1ページのように振り返るドーン。二人はある目的のために車で旅に出るが―。
「愛をささやかないで!」
次に登場するのはダニー・デヴィート演じる、売れない脚本家兼映画学校の講師シュメルツ。一人ベッドに寄りかかり、携帯電話で「愛してるんだ・・・」とささやく。実は相手は、会ったこともない、いつもシュメルツを適当にあしらっている映画会社のエージェントの留守電。脚本は全く売れず、映画学校でもハブられ気味、後のないオッサン・シュメルツは孤独に心がヤラれてしまったのかもしれない。
「爆弾を持ち込むな!」
劇中ハイライトの一つ、ダックスフントがとある理由で体中に爆弾をセットされ、恐怖の“犬爆弾”として登場。爆弾処理班と対峙するシーン。犬好きにお勧めできない理由がここにある―。
「シャブをやるな!」
ドーン・ウィーナーとブランドンが再び登場。ドーンを旅に誘うブランドンの目的は「シャブさ」。なんということでしょう、憧れの彼はシャブ中だったのです。ブランドンを演じるのは、キーラン・カルキン。数々の話題作に出演しゴールデングローブ賞ノミネートまでキャリアを積んだ彼の兄はマコーレー・カルキン。
映画『トッド・ソロンズの子犬物語』は2017年1月14日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で公開!
監督・脚本:トッド・ソロンズ
出演:ダニー・デヴィート、エレン・バースティン、ジュリー・デルピー、グレタ・ガーウィグ、キーラン・カルキン
配給:ファントム・フィルム
2015年/アメリカ/88分
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