会場となった日本外国特派員協会では浅野と尾形は会見を行ったことがあるが、今回初めて同所での会見に臨んだ窪塚。今回、それぞれが難しい役どころに挑戦しているが、浅野は「共感して演じていた」と明かし、窪塚は「弱き者、醜くて、ズルくて、汚い役だけど、彼があまりにも踏み絵を踏むので、弱いのか強いのかわからない」と自身が演じたキャラクターを分析した。また、自身と演じたキチジローの共通点は「イノセントさ」と答えた。また、もし当時生きていたらどうするかという難しい質問に対して窪塚は「踏み絵マスターだったかもしれない」と笑いを誘う場面もあった。
台湾で行われた撮影について窪塚は「(スコセッシ監督は)日本に対して敬意を払っていた。事実に合うように時代考証をしていたので違和感はないと思う」と語った。そのスコセッシ監督に対して3人とも絶賛しており、窪塚は「いてくれるだけで演技がしやすくなる」と答えた。ところが、スコセッシ監督に「『NYに来たら家においで』と言われたから、マネージャーにメールしたらスルーされました」というエピソードを明かし、場内は笑いに包まれた。また、スコセッシ監督が俳優を抑えつけることなく演技させたことで、現場に行くのが楽しかったという浅野は「(ロドリゴ役の)アンドリューが檻から突然逃げ出して、僕も予想外だったけど、そのシチュエーションに入れていたので追いかけた」と語った。
本作は遠藤周作の「沈黙」を原作としているが、原作については「若いころに一度挑戦して、挫折しました」と答える尾形。今回撮影にあたって読み直したが「心惹かれるのは(窪塚が演じた)キチジローでした」と明かした。窪塚は、終盤のシーンを例に挙げ「原作には描かれていないけど、原作が持っている力を最大限アピールするのに必要なカット」と原作に対するリスペクトを示した。また、見どころは「神が沈黙しているところ」と答えた窪塚。アカデミー賞への期待がかかっていることについて浅野は「選ばれなければ神様が審査員に余計なことをしゃべってるんじゃないか」と答え、場内からは大きな笑いが起きた。
戦後日本文学の最高峰とも称される遠藤周作の「沈黙」(新潮文庫刊)をマーティン・スコセッシが映画化した本作。17世紀江戸初期、激しいキリシタン弾圧の中で棄教したとされる師の真実を確かめるために、たどり着いたポルトガル司祭の目に映った想像を絶する日本。人間にとって本当に大切なものとは何かを壮大な映像で描く。アンドリュー・ガーフィールド、リーアム・ニーソン、アダム・ドライバーに加え、窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮ら実力派豪華キャストが集結。
映画『沈黙-サイレンス-』は2017年1月21日(土)より全国で公開!
監督:マーティン・スコセッシ
原作:遠藤周作「沈黙」(新潮文庫刊)
出演:アンドリュー・ガーフィールド、リーアム・ニーソン、アダム・ドライバー、窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮、笈田ヨシ
配給:KADOKAWA
Photo Credit Kerry Brown
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