本作は“影”の職業であるスピーチライターにスポットを当てて描かれた商業物語。スピーチライターの存在について比嘉は「知らなかった」と明かし、「馴染みがなさすぎて。そういう原稿を書くことがメインなのかな?と。今回いろいろ知った時にそれ以上のやるべきことが多くて、大事なお仕事なんだなと初めて知りました」と話し、長谷川も「存じ上げてなかった」とコメント。佐々部は「ゴーストライターがいるように、スピーチライターもいるのではないかと薄々感じていた」と明かす。
伝説のスピーチライターを演じた長谷川は役作りについて問われると「知らなかったって言わなきゃよかったですね(笑)この役やるのがおこがましくなっちゃいますけど・・・。まず監督から『声を低く、いつもの声よりも音域を下げてセリフを言ってほしい』とオーダーがあった。セリフも多かったので難しかったが、あまり感情を出せないし声も低いので。でもそれが彼女のキャラクターになった」と語り「低い声で言うというのは人に聞かせる力があるんだなと思いました」と新たな発見があったと明かした。役を演じて得たスピーチのコツについて比嘉は「久美が結婚式で登場するシーンで、じっくり会場を見渡す。あの間というかすぐに喋りださないというところは、私も参考になると思いました。『この人は何を喋るんだろう?』と興味を惹かせる、集中させるということは皆さんもすぐ使えることだと思います」と語った。
結婚式のシーンでのエピソードについて長谷川は「撮ったところをチェックしていたら、声の質は良かったが目がキョロキョロしていて説得力がなくて、監督にもう一回撮らせてほしいとお願いしました」と苦労の様子を話し「目線とか目を動かさないで、一点だけをずっと見て話すとか。実際にやってみないと分からないことがたくさんあるな、と感じました」と感想を述べた。これに対して比嘉は「毎回、京子さん完璧なんですよ!あの長い説明セリフでNGは見たことないですもん」と長谷川の演技を賞賛した。
スピーチライターの魅力について比嘉は「自分は表に出るお仕事をさせていただいてる。スピーチライターはそうではなく、サポートをする。今回そういうのを疑似体験させていただいて見え方が変わりました。今までたくさんの人に支えられて立てたんだな。スピーチライターを知ることで他のことにも感謝できるようになった。素敵な仕事だなと思いました」と感謝の気持ちを述べた。
30万部を突破した原田マハ原作の“スピーチライター”という職業がテーマの小説「本日は、お日柄もよく」 をWOWOWが連続ドラマ化した本作。夢や目標もなかった普通のOLがスピーチライターの紡ぐ“言葉”に魅了され、新たな人生を選択する成長物語となっている。『半落ち』(2004)で日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した佐々部清監督がメガホンを取る。
【取材・写真・文/蔭山勝也】
「連続ドラマW 本日は、お日柄もよく」は2017年1月14日(土)22:00よりWOWOWプライムにて放送開始!
※第1話無料放送(全4話)
監督:佐々部清
原作:原田マハ 「本日は、お日柄もよく」(徳間文庫)
出演:比嘉愛未、長谷川京子、渡辺大、石橋蓮司、八千草薫(特別出演)、速水もこみち、船越英一郎、大石吾朗、石井正則、安倍萌生、橘希、井上順、団時朗、升毅