エマ・ティリンジャー・コスコフ(プロデューサー)、加瀬亮、塚本晋也、窪塚洋介、マーティン・スコセッシ監督、浅野忠信、小松菜奈、イッセー尾形、ジェイ・コックス(脚本)

『沈黙-サイレンス-』のジャパンプレミアが1月17日(火)にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、マーティン・スコセッシ監督、窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮、プロデューサーのエマ・ティリンジャー・コスコフ、脚本を担当したジェイ・コックスが登壇した。

今回キャストが一同に集まったのは撮影以来だというスコセッシ監督は「東京でみんな一同に再会できるのは本当に感慨深いものです。久しぶりの方もいるわけですが、編集のセルマ・スクーンメイカーさんと私とこの作品を2年間かけて編集してきたわけですので、2年間ずっとお付き合いしてきたような感覚でいます」と語り、本作について問われると「遠藤周作の原作に基づくものですが、この原作に非常に感動を覚え、インスピレーションを受けました」と話し、続けて「この本は27年、28年がかりでようやく映画として完成させたわけですが、これだけ長くかかった理由として、遠藤先生が何を言いたかったのかをかみ砕かなければならなかった」と語った。

キチジローを演じた窪塚はスコセッシ監督に「どれだけ日本に来てくれるんですか。この30年、制作のためにどれだけこの人が日本に来たと思いますか。どれだけ日本に、そして遠藤周作さんのその思いに、皆さんに、どれだけの敬意を払ってくれているか。そのあふれるような敬意を僕らは感じて、毎日夢の中で仕事しているようでした」と熱い想いを表し「今日、この場所が僕の役者人生の中で最良の日です。そこに立ち会っていただけて幸せに感じています」と感慨深く挨拶した

隠れキリシタンの茂吉を演じた塚本は「窪塚さんの挨拶を聞いたら全部飛んじゃいましたけど(笑)」と笑いを誘い「僕自身は宗教を持ち合わせていないので、スコセッシ教というのを作らせてもらって。スコセッシ監督のためだったらなんでも出来ますし。すべてを捧げて監督の言うことは全部聞いて、なるべく頑張るという姿勢でやらせていただきました」とスコセッシ監督へ敬意を表した。続けて「監督は俳優に自由に演技をさせてくれる」と明かし「何か提案したことで『No』と言うことはなくて、全部素晴らしいと言ってくれる。現場で演じても『エクセレント!』と言ってくれて。俳優は不安になっていることが多いが『エクセレント!』と言ってくださるので、次のシーンに気持ちよく移れる」と話し、安心して撮影ができたと語った。

本作が初のハリウッド映画出演となった小松は「監督がずっと撮りたかった作品に、当時10代でこのような素敵な作品に関わらせていただけたこと、10代の自分としても人生としても幸せで、現場も刺激的でした。慣れない英語の中でのセリフは壁にぶつかったこともありました。どうやって英語でお芝居をしていいのか、感情をどこにもっていけばいいのか迷ったこともありました。生でお芝居を見せていただいて、貴重な体験ができたなと思いました」と苦労を明かし「原作を読んだ時、若かったというのもあって頭に入ってこなかったり難しい言葉だなと思う部分があった。映画を観させていただいて、これを若い人たちが観たらどんな気持ちで観てもらえるんだろうと思うと、21日からの反響が楽しみです」と語り、会場から拍手が起こった。

戦後日本文学の最高峰とも称される遠藤周作の「沈黙」(新潮文庫刊)をマーティン・スコセッシが映画化した本作。17世紀江戸初期、激しいキリシタン弾圧の中で棄教したとされる師の真実を確かめるために、たどり着いたポルトガル司祭の目に映った想像を絶する日本。人間にとって本当に大切なものとは何かを壮大な映像で描く。アンドリュー・ガーフィールド、リーアム・ニーソン、アダム・ドライバーに加え、窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮ら実力派豪華キャストが集結。

【取材・写真・文/蔭山勝也】

マーティン・スコセッシ監督

窪塚洋介

浅野忠信

小松菜奈


映画『沈黙-サイレンス-』は2017年1月21日(土)より全国で公開!
監督:マーティン・スコセッシ
原作:遠藤周作「沈黙」(新潮文庫刊)
出演:アンドリュー・ガーフィールド、リーアム・ニーソン、アダム・ドライバー、窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮、笈田ヨシ
配給:KADOKAWA
Photo Credit Kerry Brown
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