上映終了後のイベントに國村隼とナ・ホンジン監督が登壇。國村が「こんばんは」と挨拶すると、会場からは大きな拍手が起こり、その様子を見て「ドキドキしていたのでほっとしました」と笑顔を見せた。またナ・ホンジン監督は「トイレは大丈夫でしょうか?」と長い上映の後の観客に気を配る場面もあった。
韓国の大スターなどが出演する本作に、日本人キャストとして出演する國村だが、そのキャスティングについてナ・ホンジン監督は「尊敬していた」と語り、「本作の(國村演じる)“よそ者”の役は、お客さんに『どういう人物か』と疑問を投げかける重要な役。國村さんしかいないと確信をもって日本にオファーに来た」と振り返った。そのオファーを受けた國村は「才能の塊が人の形をしている」とナ・ホンジン監督を大絶賛。撮影現場については「想像以上だと思った」と語った。
本作が長編3作目となるナ・ホンジン監督だが、本作では國村にふんどし姿をさせるなどの演出をしており「大変だと思うシーンでは、撮影以外のところでケアしたつもりです」とコメントし、日本語で「すいません」と謝る場面もあった。それに対して國村は「台本で分かっていてオファーを受けました。僕以外がやってるのは見たくないので、観客の皆さんにご迷惑なものをさらしてもやってみようと思った」と振り返った。
共演者の話しに移ると、國村は韓国の大スターであるファン・ジョンミンについて「韓国で大スターですが驕るところがない」と称賛し、さらに演じる上でも「ファンさん自身の紳士なところが出てくる」と語った。また、出演作の公開が続くチョン・ウヒについては「若いですがスキルを積んでいて、女優さんとしてクオリティが高い」と絶賛した。また、ナ・ホンジン監督もチョン・ウヒについて「ものすごい力を持っていた」と語った。
また、本作についてはハリウッドの制作会社からリメイクのオファーが届いているということだが、ナ・ホンジン監督は「連絡があったことは聞きました」と認めたものの「リメイク版を演出するつもりはありません」と監督としてオファーを受ける様子はないようで、國村も「ナ・ホンジンがメガホンを取らないのであれば、私はやらないと思います」と応え、ナ・ホンジン監督は「じゃあ、両方ともやらないことにします」と話し、場内からは大きな笑いが起きた。
最後に國村が「映画はどうでしたか?」と観客に問いかけると、大きな拍手が返ってきて「よかった」と笑顔を見せた。さらに「今までにないカテゴライズできない映画で、新たな楽しみ方がこの映画」とコメントし、ナ・ホンジン監督は「全てを注ぎ込んだ未練のない作品なので、すべてを受け止める」と本作をアピールした。
本作は、本年度カンヌ国際映画祭で上映され、震撼させた韓国映画史上に残る骨太なサスペンス・スリラー。43歳にして初の主演作となるクァク・ドウォンが警官ジョング、日本の俳優・國村隼が村人を惑わすよそ者を演じ、その強烈な存在感で韓国の映画ファンを虜にし、熱狂的な支持を得た。さらにファン・ジョンミン、チョン・ウヒなど演技派俳優が顔を揃える。平和な村で起こる不可解な事件。あなたが見ているものは本当に真実なのか―?
映画『哭声/コクソン』は2017年3月11日(土)よりシネマート新宿ほかにて公開!
監督:ナ・ホンジン
出演:クァク・ドウォン、ファン・ジョンミン、國村隼、チョン・ウヒ
配給:クロックワークス
2016年/韓国/156分
©2016 TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION