今回が初来日となるデイミアン監督と、『きみに読む物語』以来13年ぶりの来日となるライアンに加えて、ブロードウェイでミュージカル女優としても活躍する米倉涼子が登壇した本イベント。この日のチケットは即完売となとなっており、上映を待ちわびた多くのファンで埋め尽くされた会場に米倉が登場すると、イベントは映画と同じ「Another Day of Sun」の音楽で幕を開けた。
約30人のダンサーたちが、会場を所狭しと駆け巡り、観客からは拍手が沸き起こり、一緒にパフォーマンスを楽しんでいる様子。続けて「Planetarium」ではしっとりをした空気の中で、ステージ上で華麗なダンスを披露。最後の「Someone in the Crowd」では劇中さながらの鮮やかでカラフルなドレスに身を包んだダンサーたちによる壮大なパフォーマンスが披露され、会場は最高潮に盛り上がった。
オープニングアクトのパフォーマンスが終わると、劇場の中央にある扉からライアン・ゴズリングとデイミアン・チャゼル監督が並んで登場。興奮冷めやらぬ様子の会場はさらにヒートアップして、二人に向けて大きな声援が飛び交った。二人は通路をゆっくりと歩きながら、約10分弱に渡り、サインや写真撮影などのファングリーティングを行い、ファンとの交流を楽しんだ。
盛大な歓迎を受けたデイミアン監督は「何度も来日したいです」と満面の笑みで挨拶し「ありがとう」と日本語を披露した。ライアンは「今までで一番素晴らしい歓迎で、これから先も一番素晴らしい歓迎だと思う」と喜びを表現した。2日前に発表されたばかりのアカデミー賞ノミネーションで最多ノミネートであったことに触れると、デイミアン監督は「まだショックから抜けきれない」と興奮気味に語り、ライアンは「今回は作品を作れたこと自体が賞をいただいたようなもので、デイミアンのビジョンを描けたことはラッキーだった。賞へのノミネートはそれ以上でとても驚いています」と満面の笑みを見せた。
ライアンと同じく「映画を作ること自体が夢だった」と語るデイミアン監督。ライアンとの共同作業はとても満足のいくものだったようで「次の映画も一緒にやりたい。今年の後半一緒に仕事ができるといいな」と具体的なスケジュールを挙げると会場からは大きな歓声が沸き起こった。その熱烈な思いを受けたライアンは「デイミアンは俳優が監督に望むものをすべて兼ね備えている。野心家で才能があり、目指したものを達成できる」と大絶賛した。
さらに劇中でミアを演じるエマ・ストーンと3回目の共演となるライアンは「(前の)2本でも写っていないカメラで歌って、踊っていたので出来るのは知っていました」と今回ともにミュージカルを披露できることに感慨深げな様子。デイミアン監督も「この二人をミュージカルで共演させることが出来るのは素晴らしい。普段ミュージカルを見ない人でも楽しめるのはエマのおかげ」とエマへの感謝の気持ちを語った。
イベントの終盤で米倉が再登壇すると、劇中のミアと同じく「20代の頃にはオーディションで5~6回に一回受かったらいいという感じだった」と告白し、ライアンは「この映画を観て、その気持ちが痛いほどわかる」と語った。それに対して、デイミアン監督は「映画に出てくる典型的なオーディションはよくないと思う。(受かる)秘訣は分からないけど、僕がオーディションで求めるのは、役者さんに遊び心があるか」とアドバイスした。最後にライアンは「私たちが愛を込めた大好きな映画です。みなさんも同じように愛してくれると嬉しいです」とアピールした。
映画『ラ・ラ・ランド』は、『セッション』(2014)で世界中を虜にしたデイミアン・チャゼル監督最新作。“夢を追う人が集まる街”LAを舞台に、女優を目指すミアがジャズピアニストのセバスチャンと出会う。やがて恋に落ちる二人だが、セバスチャンが生活のために加入したバンドが成功したことですれ違い始める―。セバスチャン(セブ)役を実力派俳優のライアン・ゴズリング、ミア役をエマ・ストーン、さらに『セッション』での熱い演技が高く評価されたJ.K.シモンズなど豪華キャストが集結。
【写真/坂東樹、文/河野康成】
映画『ラ・ラ・ランド』は2017年2月24日(金)よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国で公開!
監督・脚本:デイミアン・チャゼル
出演:ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン、J.K.シモンズ
配給:ギャガ/ポニーキャニオン
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Photo credit: EW0001: Sebastian (Ryan Gosling) and Mia (Emma Stone) in LA LA LAND.Photo courtesy of Lionsgate.