ニューヨークのビルの屋上でこっそり寝泊りしていたマーク・レイと、20代前半に歌手として車中生活を行いながら地方巡業をしていた元ホームレスで現在多方面で活躍している映画コメンテーターのLiLiCoをゲストに迎えた本イベント。
本作の感想を問われたLiLiCoは「最初のシーンで見る彼がすごくカッコよくて、その後描かれる彼の人生が、最初のシーンからは想像もつかない。自分も5年間、車の中で生活していて。共感するところがいっぱいありました」と語った。24時間ほど前に日本に到着したと話すマークは「空港に降りたら20人ほどの女性の方々が私のサインや写真を待っていてくれました。しかし、僕じゃなくてライアン・ゴズリングの出待ちだったんですね」と笑いを誘った。
ホームレス生活で工夫している点についてマークは「1つ目はバレないこと。そして2つ目は自分自身の心の中の葛藤を乗り越えること。建物の屋上で寝泊まりしてる現実を受け入れるための工夫でした」と明かし、自身について「ホームレスというカテゴリーをあててしまうと、それしか見えない。世の中には様々な事情で路上生活していたり屋根がない生活をしているひともいますけど、それぞれが複雑な人間なんですね。だからカテゴライズ的にはアーバンキャンパーという言葉が合っていると思います」と語った。
「お金がなくても人との繋がりは財産だ」と持論を展開するLiLiCoは、マークへ日本で繋がった人と今後やりたいことを問うと「自分のパーソナルストーリーを作品としていろいろな方に届けたことは嬉しいのですが、今後またチャンスがあったら新しい形で作品として、新しい監督や役者を使って自分のストーリーを伝えたいと思います。その際は色んなプロモーションや日本の大企業とコラボができたらいいなと思います」と次作への期待を込めた。
本作は、ニューヨークのビルの屋上に6年間こっそり寝泊まりしていた自称“アーバンキャンパー”で、“世界で最もスタイリッシュなホームレス”のマーク・レイ(57歳)の秘密の生活に3年間密着したドキュメンタリー映画。
【取材・写真・文/蔭山勝也】
映画『ホームレス ニューヨークと寝た男』は2017年1月28日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で順次公開!
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