昨日、六本木ヒルズで行われたジャパンプレミアでは劇中楽曲からインスパイアされたパフォーマンスが披露され、「今までで一番素晴らしい歓迎」と笑顔で語っていたライアン・ゴズリング。
溢れるほどの記者が集まった会場に登壇したライアンとデイミアン監督に眩いフラッシュが浴びせられると、デイミアン監督は「愛を込めて作りました」と笑顔でコメントし、ライアンは「日本人はロマンティックでミュージカル好きと聞いています。この作品で来日できたのは特別な思いがあります」と挨拶した。
24日のアカデミー賞ノミネーション発表については「ライアンと同じホテルにいた」ときに聞いたというデイミアン監督。シャンパンでお祝いしたことを明かし「それぞれが限界突破して作った。たくさんの人が認められたのは嬉しい」とスタッフやキャストへ感謝の気持ちを語ったデイミアン監督。続けて、ライアンも「映画はチームで作るもので、チームが認められたのは感慨深い」と笑顔を見せた。
現場では、ライアンやエマ・ストーンがダンスの練習をしているところでセットやコスチュームを作っていたと明かし「文字通り同じところで築き上げた」と改めてチーム力について語ったデイミアン監督。映画に関してはよく話し合っていたようで「一番話したのは、あまりにもノスタルジックにしないこと。キャラクターについても、演劇的にしすぎないで、共感できるような人にしたい」と振り返り「空想部分もあるので、バランスをどうするかが非常にチャレンジだった」とライアンが語った。
そのライアンについて、前日のジャパンプレミアでも非常に信頼を寄せている様子を見せるデイミアン監督だが、改めて「ライアンは何でもできる素晴らしい俳優。映画の知識も豊富で、ミュージカルや音楽への情熱や深い愛情など、必要な素質をすべて持っている」と大絶賛。それに対してライアンは「(デイミアンを見て)この原稿は僕が書いた。もうちょっと情熱的に言ってほしかった」とおどけて見せる場面もあった。
また、近年では原作がある映画が多いが、本作はデイミアン監督自身によるオリジナル脚本。その映画がヒットした要因について聞かれたデイミアン監督は「ミュージカルには他にない楽しさや楽観的なものがある。それと同時にリアリズムや正直なストーリーが必要。叶う夢もあればかなわない夢もあるという部分が人々に訴えかけたのでは」と分析した。またライアンは「映画館で大勢の人たちと共有して、一緒に観るものを作りたいと(デイミアン監督と)話していた」と明かし、本作では「多くの観客が実際に映画館に足を運んで体験してシェアしている。それを実現できたことで満足している」と語った。
本作ではさまざまな作品へのオマージュがあると言われているが、デイミアン監督は前日に日本人と話していて気が付いたということで「鈴木清順さんの『東京流れ者』(1966)。彼の非常にワイドで撮っていて、ポップな色合いなどが隠れたオマージュかと思います」とコメント。さらに「(本作で)使ったレコーディングスタジオは『オズの魔法使い』(1939)や『雨に唄えば』(1952)で使われたところで、それは素晴らしい贈り物だった」と笑顔を見せた。
会見では、ヒットを祈願した鏡割りが行われ「いい匂いがしますね!飲んでもいい?」と日本の伝統的な風習を楽しんでいる様子。最後にデイミアン監督は「初めての来日ですが、早くまた戻ってきたいです」と語り、ライアンは「日本に来られて光栄です。『ラ・ラ・ランド』を楽しんでいただきたいです」と本作をアピールした
映画『ラ・ラ・ランド』は、『セッション』(2014)で世界中を虜にしたデイミアン・チャゼル監督最新作。“夢を追う人が集まる街”LAを舞台に、女優を目指すミアがジャズピアニストのセバスチャンと出会う。やがて恋に落ちる二人だが、セバスチャンが生活のために加入したバンドが成功したことですれ違い始める―。セバスチャン(セブ)役を実力派俳優のライアン・ゴズリング、ミア役をエマ・ストーン、さらに『セッション』での熱い演技が高く評価されたJ.K.シモンズなど豪華キャストが集結。
【写真/蔭山勝也、文/河野康成】
映画『ラ・ラ・ランド』は2017年2月24日(金)よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国で公開!
監督・脚本:デイミアン・チャゼル
出演:ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン、J.K.シモンズ
配給:ギャガ/ポニーキャニオン
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Photo credit: EW0001: Sebastian (Ryan Gosling) and Mia (Emma Stone) in LA LA LAND.Photo courtesy of Lionsgate.