戦争がもたらす傷跡と不条理な世界を描いた衝撃作『マン・ダウン 戦士の約束』に各界の著名人からコメントが寄せられている。

戦争がもたらす傷跡と不条理な世界を描いた衝撃作。アフガニスタンから帰還した海兵隊員が、安息を求めて辿り着いた懐かしき故郷は荒廃し、愛する妻と息子の消息も途絶えてしまう。主人公の海兵隊員ガブリエル・ドラマーをシャイア・ラブーフ、腐れ縁の友人デビンをジェイ・コートニー、ガブリエルの妻をケイト・マーラ、さらに圧倒的な演技力で定評のあるゲイリー・オールドマンがガブリエルの上官を演じる。

本作について「『シティ・オブ・ドッグス』を作ってからずっと、私とシャイアは再びタッグを組むにふさわしい作品を探していて、この作品がまさにそれでした。荒廃した世界で家族を守ろうとする父親を軸に展開するデリケートなテーマを扱うことは、私たちふたりにとって実に難しい課題でした。戦争の恐怖は、長い間議論されている複雑な問題です。『MAN DOWN』では、ニュースや他の民族の世界で起きている出来事を、国内戦線として現実的にとらえられるよう目指しました。登場人物のロバーツが映画の中で言うように『戦争が帰ってくる』のです」と語っているディート・モンティエル監督。

大野和基(ジャーナリスト)

ドナルド・トランプ大統領は帰還兵の精神衛生改善が必要だと言ったが、彼らの精神がいかに破壊されるか、その究極のケースをこの映画は描いている。

貴志祐介(作家)

シャイア・ラブーフの静謐な狂気に圧倒される。これは滅び行く世界への挽歌ではない。涙なくしては見られない、父親の幼い息子に対する愛の物語だ。

滝藤賢一(俳優)

シャイア・ラブーフの触覚を失った昆虫のように彷徨う様が凄まじい!同じ父親としての表現しようのない苦しさに襲われ、ごっそり体の一部をえくられた気分だ。

筒井哲也(漫画家)

3つの異なる時間軸を複雑に錯綜させながらも物語が求心力を失わないのは、その中心に極めて普遍的な親子の情愛が描かれているためだろう。シャイア・ラブーフ演じる父親の、どこまでも家族を想い続ける姿に心を揺さぶられた。

手嶋龍一(外交ジャーナリスト・作家)

星条旗に包まれて無言で帰国した兵士はまだしも幸せだった。心を病んで帰国した兵士たちには地獄の日々が待ち構えていた。

名越康文(精神科医)

戦争の本当の中味とは、兵士に植え付けられた身体の記憶のことである。彼ら自身もうまく語り得ないその中味を、この映画は衝撃的に描くことに成功している。

春香クリスティーン(タレント)

故郷の小さな町からアフガニスタンの戦場へ。極限状態の体験は一人の兵士をどう変えたのか?戦争に病むアメリカの自画像、現代の「ディア・ハンター」。

丸山ゴンザレス(ジャーナリスト)

心に傷を持つ帰還兵に何人か会ったことがある。ある人は家族に酒瓶を投げつけて孤立し、ホームレスになって下水道で暮らしている人もいた。共通していたのは孤独で寂しがり屋だったこと。彼らの心の闇に思いをはせずにはいられなかった。

宮嶋茂樹(報道写真家)

アフガンの大地に舞い降りたものだけが分かる。あの荒廃した地で過ごす日々の間、故郷の思い出は美しく昇華する。恋人、家族、水、食べ物・・・。すべて。それだけにこのラストはきつ過ぎる。

吉田尚弘(ドキュメンタリー写真家)

戦闘の終わりは、巻き込まれた全者にとって本当の戦争の終結を意味しない。リアルすぎる息遣いに、私は前線で出会ったひとりの兵士を思い出した。日本人にこそ、見るべき映画だと強く感じる。

映画『マン・ダウン 戦士の約束』は2017年2月25日(土)より新宿武蔵野館ほか全国で公開!
監督:ディート・モンティエル
出演:シャイア・ラブーフ、ジェイ・コートニー、ケイト・マーラ、ゲイリー・オールドマン
配給:アルバトロス・フィルム/クロックワークス
2015年/アメリカ/91分
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