本作は、現代の東京を舞台に、誰かに甘えることもせず日々をやり過ごす美香と、工事現場で日雇いの仕事をしながら死の気配を常に感じ、どこかに希望を見出そうとひたむきに生きる慎二が生きづらさを抱えながら出会い、恋が始まる瞬間を描くラブストーリー。美香役を本作が映画初主演となる石橋静河、慎二役を池松壮亮が演じる。また、『舟を編む』『バンクーバーの朝日』など33歳にして本作が長編映画12作目となる石井裕也監督がメガホンを取る。
今回解禁された特報映像は、青色に光る月光に照らされた美香(石橋静河)と慎二(池松壮亮)が、自身が抱える漠然とした不安や絶望に共鳴し合う姿や、「私/俺と一緒だ」と互いに同じセリフを発し、東京で生きる二人が奇跡的に自分と少し似た人に出会い、想いを通じ合わせる瞬間が切り取られている。
『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』は9日より開催される第67回ベルリン国際映画祭のフォーラム部門に出品され、開催期間中に行われる本作のワールド・プレミアには、石橋静河、池松壮亮、石井裕也監督の登壇が決定しており、3名にとって初めての三大映画祭への参加となる。
最果タヒ(原作者)コメント
今という一瞬でしかない時に、全身を投げ出すようにして生きる人々の映画でした。どんなに親しくても、そばにいる人たちの過去に何があったのか、すべてを思いやることなんてできないし、同じ未来を生きることなど約束できるはずもない。だからこそ、せめて、彼らの「今」に不恰好でもいいから、取り繕わずに飛び込みたい。器用であることや、人生そのもののつじつま合わせのように透明になって生きていっても何も残せないだけだ、誰の記憶にも残りやしない。この映画には、無根拠で無遠慮な明るさなんて一つもないけれど、でも「今」という生に対して、ひたすらにポジティブだった。みっともなくてもぶっきらぼうでも、それでも「今」そのものを生きたとき、それはきっと愛らしい姿をしている。そう、強く信じることができる映画です。愛おしい不器用さに溢れた、この映画が私の詩集をもとに作られたという、そのことが光栄でなりません。願わくは、多くの人に観てほしい。自分自身の「今」を不器用な手つきで抱きしめようとするすべての人に。
『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』は2017年5月13日(土)より新宿ピカデリー、ユーロスペースにて先行公開、5月27日(土)より全国で公開!
監督・脚本:石井裕也
原作:最果タヒ「夜空はいつでも最高密度の青色だ」(リトルモア刊)
出演:石橋静河、池松壮亮、佐藤玲、三浦貴大、ポール・マグサリン/市川実日子/松田龍平/田中哲司
配給:東京テアトル、リトルモア
©2017「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」製作委員会