映画『ラ・ラ・ランド』は、『セッション』(2014)で世界中を虜にしたデイミアン・チャゼル監督最新作。“夢を追う人が集まる街”LAを舞台に、女優を目指すミアがジャズピアニストのセバスチャンと出会う。やがて恋に落ちる二人だが、セバスチャンが生活のために加入したバンドが成功したことですれ違い始める―。セバスチャン(セブ)役を実力派俳優のライアン・ゴズリング、ミア役をエマ・ストーン、さらに『セッション』での熱い演技が高く評価されたJ.K.シモンズなど豪華キャストが集結。
本作の衣装を手がけたのは、アカデミー賞衣裳デザイン賞にノミネートされた経験を持つメアリー・ゾフレス。彼女は本作で衣装を担当するにあたり、『シェルブールの雨傘』や『バンドワゴン』、『有頂天時代』を研究したが、それは決して模倣ではなく、形や色調はミアとセブが暮らす世界に入り込むことでインスピレーションを得て「古典的なミュージカルのように全編を色で溢れさせる」ということを目指したという。その結果、ミアとセブはそれぞれ50回もの衣装チェンジを行っており、彼女とチャゼル監督はシーンごとに感情を伝える手段として色に集中したと語っている。
ミアがセブと再会してデュエットを踊る際に着ている黄色のドレスは、ロマンスの初期段階を象徴するのに少女らしさを意識している(今回解禁された場面写真④)。さらにミアの服には、クラシカルな魅力も添えられている。彼女のバリスタブラウスは、1940年代のイングリッド・バーグマンの美しいショットを元にし(今回解禁された場面写真⑨)、またバーグマンがごく初期のスクリーンテストで着ていたピンク色のホルタードレスと、よく似たドレスも用意された(今回解禁された場面写真⑤)。このドレスについて「サンフェルナンド・ヴァレーの古着屋で見つけた衣装よ。50年も前のものだけど、今着ても素敵ね」とゾフレスは説明する。
「最初は明るくて強烈な色の服を着せるの。そうすると少女らしさが出る。それから彼女が成長して仕事に入れ込むようになると服の色の彩度を落として、一人前の女性になるシーンでは、文字どおり白と黒の服になる。そして5年後には、同じ女性なんだけど、より洗練された姿になっているの」と語っている通り、まさに本作のミアの衣装には女性としての魅力が詰まっている。また、女優として成功したミアには、甘すぎない色合いとデザインでファッションのこなれ感を演出し、自信に充ち溢れている姿を表現した(今回解禁された場面写真⑥)。エマが高く飛び跳ねる演技をすると、そのドレスは揺れ動き、ひらりと舞う。エマが自分のデザインした衣装をみごとに着こなしていることに「エマは本当に着映えするの。彼女と試着室にいて、実際に、これだ、と思う瞬間が多かった。最高のカンバスだわ」と言う。
一方ゴズリングの衣装は、少し風変わりな服で上品さを強調。成熟していて特別な人間に見せるために、ほとんどがオーダーメイドで、伝統を感じさせる細身のシルエットの服を着せた。オープニング・シーンの濃い茶色のスーツ(今回解禁された場面写真⑦)からロイヤルブルーのスポーツコート、そしてバンドのツアーでの全身黒の衣装(今回解禁された場面写真⑧)と、見た目の色合いも大切にした。また、彼は40年代に人気があったツートンカラーの靴を粋に履きこなしている。ゾフレスは「セバスチャンは過去を自分の人生に取り込むことに情熱を捧げているから、この靴は彼のしるしにもなるの。」と語る。
ゴズリングはゾフレスの作りだしたものの虜になり「彼女は、存命の衣装デザイナーで最も優れた人のひとりだ。彼女の衣装のおかげで1940年代と現代の感覚の間のバランスをとることができた」と絶賛している。セリフ、歌、演技、撮影からセットとともに、衣装の細かな部分まですべてが同調して、まるで恋のように不思議とそれぞれの要素がもつ以上のものを作り出した本作。解禁された場面写真からは、チャゼル監督は来日した際のイベントでも、スタッフへの感謝のコメントを欠かさずに伝えているように、本作がゾフレスらスタッフやキャストとのチームワークで作り上げられことを感じさせる。
映画『ラ・ラ・ランド』は2017年2月24日(金)よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国で公開!
監督・脚本:デイミアン・チャゼル
出演:ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン、J.K.シモンズ
配給:ギャガ/ポニーキャニオン
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Photo credit: EW0001: Sebastian (Ryan Gosling) and Mia (Emma Stone) in LA LA LAND.Photo courtesy of Lionsgate.