3月10日の全米公開を前に行われた今回のフッテージプレゼンテーションには、来日中のジョーダン・ボート=ロバーツ監督と昨年大ヒットした『シン・ゴジラ』の樋口真嗣監督が登壇し、まだ明かされていない部分が多い本作『キングコング:髑髏島の巨神』について語られた。
「日本が大好きで、焼酎が大好きです」と挨拶したロバーツ監督。「ビデオゲームや漫画を見て過ごしているので、DNAの一部になっています」と明かし、日本のアニメなどの文化からも影響を受けている様子を見せた。特にキングコングがいる髑髏島のクリーチャーたちは“恐竜のようにはしたくない”“エイリアンっぽいのも嫌”とかなりこだわっているようで、ポイントとして「宮崎駿監督の作品に出てくるようなもの。精神性があって美しく、それでいてパワフルなもの」と語り、具体的には「『千と千尋の神隠し』に出てくるカオナシや『新世紀エヴァンゲリオン』に出てくる使徒サキエルを彷彿とさせるもの」からヒントを得ていると明かした。
イベントでは、冒頭のシーンや、クリーチャーとの対決シーンなど4つのシーンが上映された。ロバーツ監督は「たくさんの映画が出てきている時代に、いかに特別な作品を作るかがポイント」と話している通り、一つ一つのシーンでのこだわりを丁寧に解説した。1970年代を舞台にしたことや、『地獄の黙示録』からインスピレーションを得ている様子も窺わせた。上映された映像では、あまりにも巨大なためスクリーンに入りきれないほどのスケール感で、立ち向かうことすらも恐れてしまう存在を感じさせたが、ロバーツ監督はそのサイズ感について「『ゴジラと戦わせたいから大きくしたんでしょ?』と言われるがそうではないです。1つは1933年の『キングコング』に原点回帰したい。見上げた時にこれは神だと認識するように。もう1つは『ワンダと巨象』(日本のゲーム)の威厳やパワー、恐怖を感じられるように意識している」と明かした。
イベントの中盤では樋口真嗣が登壇し、話はさらに盛り上がっていった。ギタリストのMIYAVIが日本人戦闘機パイロットとして出演するが、MIYAVIについては「もともとファンだった」と明かすロバーツ監督。しかしその役名が、グンペイ・イカリであることに樋口監督がツッコむと、ロバーツ監督は「そこを指摘してくださったのは初めてです」と笑顔を見せ「グンペイは、ゲームボーイのクリエイターである横井軍平さん、イカリは『新世紀エヴァンゲリオン』(のキャラクターである碇シンジ)からインスパイアされてる」とオタク的要素を見せた。
さらにイベントでは日本版ポスタービジュアルが公開されたが、開田裕治氏によるそのポスターを見た樋口監督は「わかってますねー!」と興奮気味に語り、ロバーツ監督も「死ぬまで壁に飾りたい素晴らしいポスターです」と大絶賛。最後にロバーツ監督は「樋口監督が『シン・ゴジラ』で成し遂げたことをこの映画でやろうとしている。『シン・ゴジラ』はいかに新しく、今までのものと違うようにするかがポイントだった。官僚制のアホらしさにモンスターの要素が入ってくるのに新鮮さを感じた」と称賛。本作については「日本のことが大好きで、文化も大好きです。日本の文化から大いにインスパイアされた『キングコング』をなぜ2017年に作らなければならないのかを意識して、さらに人々がなぜ映画館に足を運ぶのかを意識している。早く日本の皆さんに見ていただきたいです」とメッセージを送った。
舞台となるのは、南太平洋に浮かぶ神秘の島、髑髏島。人類がまだ見たことのない生物が生息しているという島で調査隊の前に現れたのは、巨大な島の守護神“キングコング”だった―。2020年にゴジラとの対決が決まっているキングコング。『パシフィック・リム』『GODZILLA ゴジラ』の製作チームが結集して生み出した30メートルを超える巨神キングコングに、トム・ヒドスルトン、ブリー・ラーソンら豪華キャストが集結した調査隊が挑む。
映画『キングコング:髑髏島の巨神』は2017年3月25日(土)より丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国で公開!
監督:ジョーダン・ヴォート=ロバーツ
出演:トム・ヒドルストン、ブリー・ラーソン、サミュエル・L・ジャクソン、ジョン・C・ライリー
配給:ワーナー・ブラザース映画
©2016 WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC., LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS, LLC AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED