ヨーヨー・マの奏でる音楽のルーツに迫る『ヨーヨー・マと旅するシルクロード』の予告編映像とポスタービジュアルが解禁された。

今年60歳を迎えた、現代最高のチェリストと評されるヨーヨー・マ。本作は、幼少期からの貴重な映像や本人インタビュー、親交の深いジョン・ウィリアムズ、タン・ドゥン、ボビー・マクファーリンなどの証言、名曲を演奏するシーン、シルクロード・アンサンブルをはじめ世界中の音楽仲間たちとの熱いセッションの数々などが映し出される。さらに文化の垣根を越える音楽を追求し、未来へ希望をつなぐ演奏活動で私たちの心を豊かに湧き立たせるヨーヨー・マのエネルギッシュな生き様に迫っていく。

今回解禁された予告編映像では、世界で最も有名なクラシック演奏家のひとり、ヨーヨー・マのライフワークである“シルクロード・アンサンブル”の活動が映し出されていく。ベネチアやイスタンブール、中央アジア、モンゴル、中国などシルクロードにゆかりを持つ国から招集された、類い稀なる才能を持ったミュージシャンたち。ケマンチェ、中国琵琶（ピパ）、尺八、バグパイプなど伝統的な東西の音楽と現代音楽とが融合し、互いに触発されながら即興演奏を披露する。

「音楽の力で文化を進化させ、世界を変えたい」と語るヨーヨー・マの言葉には、アンサンブルのメンバーそれぞれが抱える「故郷」への想いが影響している。文化大革命によりアメリカへ渡った中国出身のウー・マン、イラン革命により家族と活動の場を奪われた盟友ケイハン、悪化するシリア情勢下で故郷を追われたキナンなど、育ってきた社会での犠牲も浮き彫りとなっていく。大切なものを失い、一度は音楽の役割に限界を感じたこともあるが、楽器を置くことはなかったメンバーたち。伝統と信念を共有して、前に進むことを選んだ彼らの国境を越える自由は誰も奪えない。現代の世界情勢を反映した映画に仕上がっている。