日本発SFアクションの金字塔を実写映画化した『ゴースト・イン・ザ・シェル』の記者会見が3月16日（木）ザ・リッツ・カールトン東京で行われ、スカーレット・ヨハンソン、ビートたけし、ピルー・アスベック、ジュリエット・ビノシュ、ルパート・サンダース監督が登壇した。

昨年11月に行われたイベント以来の来日となるスカーレット・ヨハンソンとルパート・サンダース監督、初来日のピルー・アスベック、8年ぶりの来日となるジュリエット・ビノシュ、さらにスカーレット演じる少佐の上司・荒巻役のビートたけしが揃った今回の会見。

「本作をお披露目する初めての都市が東京であることはふさわしく、非常に興奮している」と挨拶したスカーレット。スカーレットの上司を演じたたけしは「（出演は）いい経験だったし、役者という仕事をするためにはどうふるまうべきかをスカーレットさんに教えていただいた」と共演を喜んだ。初来日のピルーは「ちょっとナーバスになっている」と苦笑したものの「日本が大好きになりました。夕べ来日して食べた神戸牛は人生最高だった」と笑顔を見せた。

ジュリエットは本作の原作が日本のアニメということで「発祥の地に来れた」と感慨深い様子を見せ、自身の役どころについて「脚本を読んだときは暗号を解読しているようで全く理解ができなかった。挑戦し甲斐のある素晴らしい役」と振り返った。メガホンを取るルパート監督は「素晴らしいレガシーの一部に慣れた」と興奮気味に語り「アニメを見て、実写版を作るなら僕が作りたいと思ったけど、（本作の製作よりも前に）スティーブン・スピルバーグが作ると聞いて“あ、僕じゃないな”と思った」と明かし笑いを誘った。

日本発のコンテンツを実写映画化するにあたって、スカーレットは「アニメ版を見て、どう実写化されるか自分の中ではっきり見えなかった。詩的で夢のような世界が描かれていた」と振り返り、ルパート監督は、監督が集めた資料を見て話し合ったと言い「これだけ愛されている作品なので光栄に思うし、責任も感じている。息を吹き込むことはいい経験だし、大変な経験でした」と語った。たけしは「唯一の失敗は（自身が演じる）荒巻じゃないかと、それくらい見事な作品だと思ってる。いかに監督がこの作品にかけているか、スクリーンで見ていただければ分かります」と冗談を交えながらルパート監督に敬意を表した。

インパクトのあるキャラクターを演じるピルーは「バトーは愛されているキャラクターで、ファンの期待を裏切れない」とプレッシャーを感じていたことを明かし「監督の話を聞いて漫画原作のバトーを見た。アニメでは年上で（自身との）共通点を見いだせなかったが、漫画ではビールもピザも大好きで“これだ！”と思いキャラクターづくりができた」と振り返った。ジュリエットはこれまでに「SFというジャンルになじみがなかった」と明かしたが「息子が原作を好きで、脚本を2回読んで解説してくれた」と家族の助けに感謝を述べた。

また、日本で映画監督として活躍しているたけしだが、ハリウッド映画との違いについて「自分が監督をやるときは簡単にワンテイクが多い。ハリウッド映画では、カメラの台数も多く、ただ歩くだけでも30カットくらい撮る。これはお金がかかるなとつくづく思いました」と監督ならではの目線で語った。さらに本作で日本発のコンテンツを実写映画化することについてルパート監督は「大きなチャレンジでした」と明かし「アニメでは簡単にできても実写は難しい」と苦労を語った。また「漫画が発表されたときはインターネットもない時代。今日的なテーマであり、原作がパイオニアであるこの映画を多くの観客に観てもらいたい」とメッセージを送った。

世界でただ一人、脳以外は全身義体の世界最強の少佐率いるエリート捜査組織公安9課。ハンカ・ロボティックスの推し進めるサイバー・テクノロジーを狙うサイバーテロ組織と対峙するが、捜査を進めるうちに、事件は少佐の脳にわずかに残された過去の記憶へとつながり、彼女の存在を揺るがす衝撃の展開へと発展する―。少佐役を『アベンジャーズ』シリーズでナターシャ・ロマノフ／ブラック・ウィドウ役を演じるスカーレット・ヨハンソン、さらにビートたけし、ジュリエット・ビノシュらが共演する。