ウェス・アンダーソン監督待望の最新作『Isle of Dogs(原題)』のアイデアの源についてウェス・アンダーソン監督から語られた。
全世界で大ヒットし、アカデミー賞最多9部門ノミネート・最多4部門受賞『グランド・ブダペスト・ホテル』(2014)の製作陣が再結集するウェス・アンダーソン監督最新作『Isle of Dogs(原題)』。全編にわたり日本を舞台とし、失踪した愛犬を探す少年と犬たちの壮大な旅と冒険をストップモーション・アニメーションで描く。声優陣は、ビル・マーレイ、ジェフ・ゴールドブラム、エドワード・ノートン、ハーヴェイ・カイテル、ティルダ・スィントン、F・マーレイ・エイブラハム、ボブ・バラバン、野村訓市といったアンダーソン監督作品常連の豪華俳優陣に加え、スカーレット・ヨハンソン、グレタ・ガーウィグ、ブライアン・クランストン、リーブ・シュライバー、コーユー・ランキン、ヨーコ・オノら多彩な才能が集結。
海外ニュースサイトのIndieWireでのインタビューにおいて、最新作『Isle of Dogs(原題)』のアイデアの源泉について語ったウェス・アンダーソン監督。アンダーソン監督がまず挙げたのが、70年代にTVアニメ(ストップモーション・アニメーション)として一世を風靡した、 “ランキン・バス クリスマス スペシャル”。アンダーソン監督は、この作品を子供の頃に夢中で見ていたといい「いつか自分でもあんな作品(人形アニメーション)を作って見たかったんだよ」と語っている。
そして、もう一つアイデアの源泉として挙げているのが黒澤明。本作を制作するにあたって、黒澤明監督への熱烈なる敬愛を余すことなく表明しているアンダーソン監督だが「新作『Isle of Dogs』は黒澤作品からの影響の方が(ストップモーション・アニメーションより)大きいかもしれないね」と断言。そこでこの度、日本のファンに向けて特別に、ウェス・アンダーソン監督本人にお気に入りの黒澤作品を聞いたところ「もちろんお答えするよ!挙げるとすれば、『天国と地獄』『悪い奴ほどよく眠る』『酔いどれ天使』かな」とのコメントが寄せられた。
ひとつめに挙げた“ランキン・バス クリスマス スペシャル”を制作したランキン・バス・プロダクションは、日米合作作品も多く残しており、のちに関連会社が宮崎駿監督作品『風の谷のナウシカ』の制作母体となったことでも知られている。黒澤監督同様、宮崎駿監督作品にも深い敬意を持っていると明かしているアンダーソン監督の日本文化への愛が垣間見られる。単に日本を舞台としているだけでなく、日本のエンターテイメントの源流にまで視野に入れた最新作、『Isle of Dogs(原題)』でどのような世界が展開されるのか、期待が高まる。