過酷な運命を生きた実在の前衛画家を通じて激動の時代を描く『残像』の予告編が解禁された。
2016年10月9日に急逝したアンジェイ・ワイダ監督の最新作であり、遺作の本作。史実に基にした作品を撮り続けたポーランド映画の巨匠であるアンジェイ・ワイダが長年映画化を願い続けたのが、ポーランド史に残る芸術家の一人で、社会主義政権の弾圧により、人々の記憶から消し去られた画家ヴワディスワフ・ストゥシェミンスキ。ポーランド構成主義の前衛画家として高く評価されたほか、非常に優れた教師として慕われ、世界で2番目となる近代美術館を設立するなど美術教育に貢献。自分を信じ、芸術にすべてをささげた不屈の男の気高い信念と理想は、いまの不確かな時代にも鮮烈な光を残していく。
2016年10月9日に急逝したアンジェイ・ワイダ監督の最新作であり、遺作の本作。史実に基にした作品を撮り続けたポーランド映画の巨匠であるアンジェイ・ワイダが長年映画化を願い続けたのが、ポーランド史に残る芸術家の一人で、社会主義政権の弾圧により、人々の記憶から消し去られた画家ヴワディスワフ・ストゥシェミンスキ。ポーランド構成主義の前衛画家として高く評価されたほか、非常に優れた教師として慕われ、世界で2番目となる近代美術館を設立するなど美術教育に貢献。自分を信じ、芸術にすべてをささげた不屈の男の気高い信念と理想は、いまの不確かな時代にも鮮烈な光を残していく。
今回解禁された予告編は、ストゥシェミンスキが巻き込まれていった、社会主義政権の過酷な時代背景を映し出している。映像の冒頭で、ウッチ造形大の教え子たちに“残像”の概念を説くストゥシェミンスキの姿は、活力とカリスマ性に溢れるが、スターリン主義はアトリエの窓を覆い尽くす垂れ幕のように、画家の人生に不気味な影を落としていく。大学では、文化大臣が「イデオロギーの欠如した芸術は労働者の敵だ」と声高な演説が行われ、ひとり立ち上がったストゥシェミンスキが敢然と芸術表現の自由を主張し、さらに学生たちから尊敬を集めていく。しかし、共産党上層部の圧力により大学の教授職を追放され、美術館に飾られた作品は破棄され、学生たちと開催しようとした展覧会も無残なまでに破壊されてしまう。幼い娘・ニカは時代の激流にあらがう術もなく、皮肉にもメーデーの群衆の中を颯爽と行進していく。配給切符が支給されず、無認可のために画材すら買えず困窮していく中、彫刻家だった亡き妻カタジナ・コブロの墓に青い花をたむける画家の心情とは―。
映画『残像』は2017年6月10日(土)より岩波ホールほか全国で順次公開!
監督:アンジェイ・ワイダ
出演:ボグスワフ・リンダ、ゾフィア・ヴィフラチュ
配給:アルバトロス・フィルム
2016年/ポーランド/98分
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