池上彰、芦田愛菜

『バーニング・オーシャン』の公開直前イベントが4月18日(火)にTOHOシネマズ新宿で行われ、ジャーナリストの池上彰と女優の芦田愛菜が登壇した。

4月21日(金)の公開を前に「特別講座」と題して行われた本イベントには、特別ゲストとしてジャーナリストの池上彰が生徒役の芦田愛菜を前に、本作の題材となった史上最大級の“人災”であるメキシコ湾原油流出事故を徹底解説。事故の経緯やエネルギー産業の現状、さらにこの事故から学ぶ危機管理の在り方などが語られた。

事故後に現場取材を行ったという池上は「ちょうどハリケーンが来て、遭難しかかった」と明かし、この春中学生になった芦田は「今日は池上さんに解説していただくのを楽しみにしてきました」と笑顔で挨拶。本作を「分らない人も分かる仕組みがある。自然に理解できる」と映画の脚本を称賛した池上。また、本作を見た感想を「絶対に防げなかったことはなくて、おかしいと思った時に行動していればよかったんじゃあいかと思いました。安全は“多分”じゃなくて“絶対”大丈夫じゃないといけないんだと思いました」と安全の在り方について語った芦田。

続けて、本作のもう一つの主役でもある“石油”の在り方について「気圧で石に封じ込められている。だから石の油って書くんです」と解説を始めると、芦田は時折驚いた表情を見せながら、池上の解説をうなずきながら聞き入っていた。また「石油の(売買の)単位はバレル。バレルは樽という意味」と解説した池上が「アメリカで掘り出したときに、チェリー酒の空き樽にとりあえず入れた」ことからバレルになったとコメントすると、芦田は「そうだったんですね!」と興味津々の様子を見せた。

また、シェールガスの話題に移り、池上から「シェール(ガス)革命ってあったでしょ?」と話を振られた芦田は「ああ、頁岩」と“シェール”の日本語表記をすばやく答え、これには池上も「おお、さすが!」と驚きを隠せない様子。さらに話が、会社内での事情で確実な準備を怠ったことから事故が発生したことに触れられると、芦田は「ちゃんと準備をしておかないと、うまくいくこともあるけど、失敗することのほうが多い」と改めて準備の大切さを語った。

最後に池上は「この映画を観ると、石油ってそういうものなのか、主人公は会社の中でどの地位にいるのかが会話で分かる。脚本ってこうやって作るんだなと映画を楽しむことができる」と別の角度からの楽しみ方を提案、芦田は「事件の背景などがより深く分かったので、もう一度映画を見直したい」とした上で「この事故を知っている方にも見ていただきたいし、知らなかった方には知っていただけたらいいなと思います」と本作をアピールした。

爆発から流出停止までの約3か月にわたって全世界が注視した[メキシコ湾原油流出事故]を描く本作。メキシコ湾沖の石油掘削施設が、海底油田より逆流してきた天然ガスの引火により大爆発を起こし、施設だけでなく海上一面が火の海と化したがこの事故は、世界最大級の“人災“でもあった―。監督はリアルなアクション描写に定評のあるピーター・バーグ。主演はマーク・ウォールバーグ、共演にカート・ラッセル、ジョン・マルコヴィッチ、ジーナ・ロドリゲス、ディラン・オブライエン、ケイト・ハドソンが名を連ねる。

芦田愛菜

池上彰


映画『バーニング・オーシャン』は2017年4月21日(金)より全国で公開!
監督:ピーター・バーグ
出演:マーク・ウォールバーグ、カート・ラッセル、ジョン・マルコヴィッチ、ジーナ・ロドリゲス、ディラン・オブライエン、ケイト・ハドソン
配給:KADOKAWA
2016年/アメリカ/107分
Photo credit David Lee
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