今月末の日本公開を控えたアクションエンターテインメントである本作。5月17日から開催される第70回カンヌ国際映画祭アウト オブ コンペティション部門への公式出品が決定。6年ぶりの参加となる三池崇史監督、13年ぶりの参加となる木村拓哉、さらに初参加となる杉咲花はそれぞれ世界三大映画祭への意気込みを語った。
スクリーンが上がり、後ろに並んだキャストと三池監督のシルエットが見えると、会場を埋め尽くした観客からは割れんばかりの歓声が巻き起こり、さらに金銀に輝く紙ふぶきが降る中で一人ずつ階段を降りステージに登壇すると大歓声が登壇者を迎えた。
「公開を見かえると、映画はみなさんのものになるので、いろんな角度から何度も何度も体感していただけると幸いです」と本作の完成に自身を見せた木村。その木村演じる万次と行動を共にする凜を演じた杉咲は「目の前に刃物があるのが怖くて、演じている感覚をわすれるくらい心が震えました」とリアルな現場であったことを明かし、福士蒼汰は「キャラクターたちが信念・信条・正義を持っているので、いろんな角度から見てもらえると嬉しいです」と自らが演技に込めた気持ちを表現、市原隼人は「カットしている部分が多い」と苦笑しつつ「スクリーンでも生きられなかった̪尸良です」と笑いを誘った。
本作のキャンペーンでは、木村と杉咲が全国10都市を回り舞台挨拶を行ってきたが、木村は杉咲の印象を「撮影の時が17歳で、今現在19歳。印象はクランクインした初日から今に至るまで、そこまで大きく変わりはないんですけど、撮影とキャンペーンを経て築けた関係か、自然に彼女をエスコートできる自分をうれしく思いますし、自分が腕を出すと、腕を通してくれる杉咲さんがいるのでうれしく思います」と劇中の万次と凜さながらの関係を窺わせた。対する杉咲は木村について「(キャンペーン中に)劇場にお客さんが入りきれない日があって、それを聞きつけた木村さんが『少しの時間でいいから挨拶できませんか』とスタッフに言って、急きょ場を設けていただいた」とエピソードを明かし「自分のことだけではなく相手のことを思いやっていらっしゃる姿を拝見して、やはりすごいなと思いました」と振り返った。また、キャンペーン中はよくご飯に連れて行ってもらったことを明かし「お寿司さやんに連れて行ってくださった」と笑顔で語った。
初の悪役キャラを演じた福士は、木村と演じることで「役者としての自分を引き出してくれた」と感謝の気持ちを明かし、満島は撮影時の心得として「木村拓哉の懐に素早く入る」と答え、会場の笑いを誘った。また、満島は撮影初日の前日に撮影所の稽古場にいたところ、私服の木村が一緒に相手をしたことを明かし「僕は稽古着だったのに、(私服の)木村さんよりダメで、次の日からがんばりました」ときっかけを与えられたことを明かした。また「(その日は)ごちそうしてもらいました。最初からそういう魂胆だったんですけど(笑)」と笑いを誘った。
また、5月に行われるカンヌ国際映画祭での上映に際し、木村、杉咲、三池監督が現地での舞台挨拶に登壇することが発表され、木村は「監督ご本人から電話をいただいて、報告を受けたのでダブルで嬉しかったです」と喜びを表し、杉咲は「自分にとって大きな出会いとなった作品でカンヌに行けることが幸せです」と笑顔を見せ「行ってきます」と宣言した。
最後に木村は「目を覆いたくなる瞬間や、体全体に力が入る瞬間が多々あると思います。最後までスクリーンと繋がってくださっていたらうれしいです。最後まで全身で受け取ってください」とメッセージを送った。
「月刊アフタヌーン」(講談社刊)で連載され、その圧倒的な画力と斬新な殺陣描写により「時代劇」というジャンルを超えたと話題を呼んだ本作。木村が演じるのは、不死身の体を持つ剣士・万次。「面倒くせぇ」が口癖だが、頼りがいのある男が引き受けたのは、“最初で最後”の少女の用心棒だった。海外の映画祭でも高く評価されている三池崇史監督がメガホンを取る。主題歌はMIYAVIが担当する。
映画『無限の住人』は2017年4月29日(土・祝)より全国で公開!
監督:三池崇史
原作: 沙村広明「無限の住人」(講談社『アフタヌーン』所載)
出演:木村拓哉、杉咲花、福士蒼汰、市原隼人、戸田恵梨香、北村一輝、栗山千明、満島真之介、金子賢、山本陽子、市川海老蔵、田中泯/山﨑努
配給:ワーナー・ブラザース映画
©沙村広明/講談社 ©2017映画「無限の住人」製作委員会