熊切和嘉監督、小林薫、前田敦子、綾野剛、村上虹郎、風吹ジュン、柄本明

『武曲 MUKOKU』の完成披露試写会が5月15日(月)に都内で行われ、綾野剛、村上虹郎、前田敦子、風吹ジュン、小林薫、柄本明、熊切和嘉監督が登壇した。

綾野剛演じる矢田部研吾と村上虹郎演じる羽田融の対決、研吾と小林薫演じる父、研吾と柄本明演じる師という“父と子”、そして“師匠と弟子”の戦いを描いた本作。今回のイベントでは、映画のテーマにちなみ、ライバルとしての関係性についてや、本格的なアクションについてのトークが行われた。

多くのファンで埋め尽くされた会場に登壇した綾野は「男くさい映画が出来上がっています」と笑顔を見せ、村上も「こんなに最高にかっこいい映画は見たことがありません」と挨拶。“現代の侍のような生き方”を見せる主人公・研吾を演じた綾野は、本作の撮影が始まる前に2か月間のトレーニングを行ったといい「フィジカル面を非常に強くした。発想は完全にアスリート」と本作に臨む心意気を明かし「アルコールを一切摂取せずにやっていたので、そのフラストレーションが作品に出ている」とコメントし、場内からは笑いが起きる場面もあった。

原作を綾野に勧められたという村上は、撮影中にケガをすることがあったというが「突き指をしたときに(綾野)剛さんが、『はい、アイシング!』って持ってきてくれて、こんなに頼りになる人がいるんだと思った」と綾野の速やかなサポートに驚いていた様子。それを聞いた綾野は「地獄のような現場でしたからね」と振り返った。また、そのような二人の対決シーンを見守った前田は「入っていけない熱いものがあると現場でも感じていた」と明かし、風吹も「二人の男の戦いは語り継がれるんじゃないかと思うくらい迫力があります」とアピールした。

続けて、映画にちなみそれぞれのライバルを聞かれた綾野は「(本作では)矢田部研吾っていう役なんですけど、ほかの作品(TVドラマ「フランケンシュタインの恋」)で(深志)研という役をやっていて、研さん対決だなって思った。優しい研さんが勝つか、地獄のような研さんが勝つか」と笑いを誘うと、村上は「両親です。永遠のライバルですね」と即答。その答えを聞いた綾野は「いや、おれ恥ずかしいな(笑)」と照れ笑いを見せた。また、元AKB48の前田は「AKBにいたときはライバルという存在は周りの人たちが作り上げてくれていた。ライバルがいるってことは幸せだなと思います」と振り返り、隣に立つ綾野は「今日僕がセンターに立っちゃってる(笑)」とツッコみを入れて、場内からは大きな笑いが起きた。

最後に綾野は「いろんな感情が入り混じっている作品で、一つだけ挙げると“誰もが誰かの子供であったということ”。生きているだけで希望なんだということを体感していただけると思います」とメッセージを送った。

破滅か、救いか―。闘うことでしか生きられない男たちの激しく燃えさかる魂の対決を描いた本作。幼い頃から剣道の達人だった父に鍛えられた矢田部研吾は一目置かれる存在だったが、ある事件から生きる気力を失いどん底の日々を送る。そんな時、もう一人の師匠が立ち直らせるために一人の少年・羽田融を送り込むが、彼は恐るべき剣の才能の持ち主だった。『私の男』の熊切和嘉監督最新作。主人公・矢田部研吾を綾野剛、羽田融を村上虹郎が演じる。

綾野剛

村上虹郎

前田敦子


映画『武曲 MUKOKU』は2017年6月3日(土)より全国で公開!
監督:熊切和嘉
原作:藤沢周「武曲」(文春文庫刊)
出演:綾野剛、村上虹郎、前田敦子、風吹ジュン、小林薫、柄本明
配給:キノフィルムズ
©2017「武曲 MUKOKU」製作委員会