原作は「シドニアの騎士」で第39回講談社漫画賞を受賞した弐瓶勉のデビュー作「BLAME!」。人類が「違法居住者」として駆除・抹殺される暗黒の未来を舞台に、無限に増殖を続ける超巨大な「階層都市」における探索者・霧亥の孤独で危険な旅路を描くSF作品。連載開始から20年の時を経て、ついに劇場アニメ化。監督は『シドニアの騎士』『亜人』の瀬下寛之。原作者・弐瓶勉がシナリオやキャラクターデザインをはじめとしたクリエイティブディレクションの中核を担う。映像革命と称された『シドニアの騎士』のスタッフが再結集し、再構成した完全新作ストーリーとして創り上げる。
今回、新海誠、本広克行、谷口悟朗、野﨑まどら各界の著名人から本作にコメントが寄せられた。一線で活躍するクリエーターだからこそ出てくる深い理解と称賛の言葉に期待が高まる。
荒牧伸志(映画監督/メカニックデザイナー)コメント
エッジで難解な「BLAME!」がこんなにエンターテインメントな映画になるとは!オリジナルのコミックスの空気、手触りもしっかりと漂っている。シボ、素敵すぎる。
飯田譲治(映画監督・脚本家)コメント
まったく予備知識なく観ましたが、海外実写SF映画を凌駕しているとも思える映像のクオリティに圧倒されました。すごい!
小川一水(SF作家)コメント
宇宙戦艦主砲級のとんでもないピストルを身に着けた主人公・霧亥の、どっしりした立ち居振る舞いもさることながら、一般人間である電基漁師たちの、生き抜く苦闘に惹きつけられる映画だった。いやそれよりもシボさんの! スレンダートール金属レディ、シボ姉の鉄のかかとが鉄の地を打つ、コトンコトンという足音が耳に響いたなあ。
静野孔文(アニメ―ション監督)コメント
瀬下監督+ポリゴン・ピクチュアズ、相変わらず素晴らしいクオリティですね。弐瓶さんワールドを損なわない広い絵と、特徴的な編集が特に個性的で良かったです。
新海誠(アニメーション監督)コメント
105分間、巨大な都市をさまよい続けてとても息苦しくて(良い意味で!)、劇場を出た後は解放感がものすごかったです笑。素晴らしい劇場体験をさせていただき、大いに刺激を受けました。
九岡望(作家)コメント
映像と音の圧倒的な質感。恐ろしいほど巨大な都市にいきなり呑み込まれる。何より冒頭数分の緊張感からの「最初の一発」!度肝を抜かれます。
倉本美津留(放送作家)コメント
瀬下監督の進化に驚愕する!ファンタスティック!
瀬古浩司(脚本家)コメント
クールだけど泥臭く、シリアスだけど滑稽、フィロソフィックだけど俗っぽい、そして最後に胸が熱くなる。上映中、銀幕に映し出された霧亥のカッコよさに痺れ、シボの可愛らしさににこにこしながら、ずっとこう思っていました。『そうそう、映画ってこうじゃなくっちゃ』と
谷口悟朗(アニメ―ション監督)コメント
閉塞感があるアニメ界。そこに対する突破口の一つが今回の作品なのだと感じた。手法はセルルックCGである。セルルックというものは三次元的かつ二次元的空間を生み出す。しかし、大事なことは技術そのものではなく、それで何をやるのか、という話にかわりはない。今回の弐瓶さんの挑戦、瀬下監督の挑戦、プロデューサーの挑戦。そして、各スタッフの挑戦。それらが時代に対する叫びとして面白く、興味深い。
今、日本のアニメは次のステージに入ろうとしている。CGだから・・・・・・ということではない。それは、あくまで手段の一つにすぎない。抽象化や記号化を通して表現する、ということに手描きもCGもない。大事なことは、今の時代に『BLAME!』が作られ公開される意味なんだろう。作品は時代とともにある、という側面は無視できない。映像ファンなら、リアルタイムでおさえておくべき作品の一つである。
野﨑まど(作家)コメント
その恐ろしい名でイメ検すれば恐怖画像がディスプレイいっぱいに並ぶ戦慄の上位セーフガード・サナカンが、劇場版を基底現実に構築する際に用いられた多数の構成素材の高度な反応によってなんか凄い美少女として転送された事実を是非劇場でご確認ください。
野末武志(映像ディレクター)コメント
105分というなかで原作の世界観をしっかりと凝縮し表現されていて驚きました。3DCGならではの演出が最初から最後まで生かされ、セルシェーディングによる原作を生かした映像表現は、ファンの方々はもちろん、新たにBLAME!の世界に触れる方々も楽しめる作品でした。
本広克行(映画監督)コメント
この作品を制作しているポリゴン・ピクチュアズの人たちには、「誰もやっていなかった事を圧倒的なクリエイティブで世界に向けて発信していく」という強い志があって、そんな人達が作っている新しい挑戦の作品なんだから面白いに決まっている!
また、併せてデンマークで開催される「ヴィボー・アニメーションフェスティバル 2017」にて、本作『BLAME!』が上映されることが決定した。5回目を迎える2017年は、日本とデンマーク外交関係樹立150周年ということで、在デンマーク日本大使館公認を受けた特別イベント「カワイイとエピック―(Kawaii & Epikku)」が企画された。アニメーション、漫画、トランスメディアという広範な分野をカバーするデンマークでこれまでに開催されたことがない規模のイベントになる。アヌシー国際アニメーション映画祭での上映に続き、ヨーロッパ大陸の『BLAME!』ファンには待望のニュースとなるだろう。
ヴィボー・アニメーションフェスティバル 2017
会期:2017年9月25日~10月1日
開催場所:デンマーク西部(ユトランド半島中央部)ヴィボー市
2012年に始まったヴィボー・アニメーションフェスティバルは、子どもだけでなく大人も楽しめるデンマークで唯一のアニメーション映画祭。2016年は15,000人が来場し、5回目となる本年はさらに多くの来場者を見込んでいる。アニメーション教育機関として定評ある、アニメーション・ワークシップ(TAW)と連携しながら運営されており、ヨーロッパのアニメーション教育機関の卒業制作の最新作を集める学生作品コンペティションはTAWと共にキュレートしている。
モートン・トーニン(映画祭ディレクター)コメント
今年のヴィボー・アニメーションフェスティバルは、日本とデンマークの外交関係樹立150周年を記念し、日本アニメーションに焦点を当てます。BLAME! は、日本アニメの新たな興味深いトレンドを反映する、巧みに作られたすばらしい映画です。本作品はフェスティバルの今年の主題にまさにふさわしく、上映作品の一つとして上映できることを非常に嬉しく思います。
映画『BLAME!』は2017年5月20日(土)より全国公開!
監督:瀬下寛之
原作:弐瓶勉「BLAME!」(講談社「アフタヌーン」所載)
声の出演:櫻井孝宏、花澤香菜、雨宮天、山路和弘、宮野真守、洲崎綾、島﨑信長、梶裕貴、豊崎愛生、早見沙織
配給:クロックワークス
©弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局