三池崇史監督と杉咲花
公式上映時の様子

現在開催中の第70回カンヌ国際映画祭アウト オブ コンペティション部門に出品されている『無限の住人』の公式上映が5月19日[現地時間]に上映劇場であるグラン テアトル リュミエールで行われ、舞台挨拶に木村拓哉、杉咲花、三池崇史監督が参加した。

第70回カンヌ国際映画祭において本作『無限の住人』が出品されているのはアウト オブ コンペティション部門。『極道大戦争』(2015)以来2年ぶり6作品目のカンヌ国際映画祭への出品となる三池崇史監督、木村拓哉はウォン・カーウァイ監督『2046』(2004)以来13年ぶり、杉咲花にとっては本作が初の世界三大映画祭の参加作品となる。

2300席が超満員となった会場で上映された本作『無限の住人』。上映後にはスタンディングオベーションとなり、拍手が鳴りやまないほど。木村は「2000人以上の方々が、男性はタキシードで女性はイブニングドレスというフォーマルな恰好で観ていただきましたが、会場の皆さん作品の観方や楽しみ方がとてもカジュアルでストレートでした。素敵だと感じましたし、とても嬉しかったです」と興奮した様子で語り、本上映を観客とともに鑑賞したうえで「上映中に拍手や笑いが起きました。スクリーンと客席が一体になっていると感じました。今日の上映は一方通行ではなく、本当にコミュニケーションをとることが出来たと思います」と感無量の様子だった。

続けて、多くの海外メディアから赤い着物姿に大きな注目が集まる杉咲について、木村は「この場所にくると“日本らしさ“を再発見できます。海外では評価をされる。まさに灯台下暗し。自分たちの良さに、もっともっと光を当てても良いのではと思いました」と語った。杉咲は「光景に圧倒されました。まだ成人もしていないのに(笑)こんなことが起こるのか想像もつかなかったのですが、色々なことを体験することが出来てとても幸せです」と改めて感謝の気持ちを明かし、三池監督は「改めて良い映画だなと思いました(笑)お客さんや劇場そのものが映画を後押ししてくれ、心地よい時間を過ごすことが出来ました。監督としてこれ以上の幸せはないと思いました」と幸せをかみしめている様子だった。

クライマックスシーンで客席から歓声が起きたときの心境を木村は「照れくさいというか、嬉しいんですが、監督が『そうなるでしょ』とボソッと呟いていて。監督はさすがに違うなと思いました」と喜びをかみしめながら答え、三池監督は「編集で何百回も音をつけて、何十回と映像を見るんですが、何度見ても新しい驚きや発見が絶えずあります。作った人間に対して何か語り掛けてくる映画ですし、違うメッセージを持つ映画だと感じています。今日は万次が現れたときに、ホッとしましたし、『やっぱり木村拓哉きたな!よし、来た!!』って。自分で監督をしていますが、他のお客さんよりも『よし来た!!』って喜んだかもしれません(笑)」とコメントした。

この公式上映の翌日である19日[現地時間]には、海外メディアの取材を控えており、木村は「今日の時点でも海外メディアの方からインタビューがあり、それぞれの視点での質問がありました。10人いたら10人それぞれの感想があるのでそれを聞くのが楽しみです」と期待を寄せている様子を明かした。

「月刊アフタヌーン」(講談社刊)で連載され、その圧倒的な画力と斬新な殺陣描写により「時代劇」というジャンルを超えたと話題を呼んだ本作。木村が演じるのは、不死身の体を持つ剣士・万次。「面倒くせぇ」が口癖だが、頼りがいのある男が引き受けたのは、“最初で最後”の少女の用心棒だった。海外の映画祭でも高く評価されている三池崇史監督がメガホンを取る。主題歌はMIYAVIが担当する。

映画『無限の住人』は全国で公開中!
監督:三池崇史
原作: 沙村広明「無限の住人」(講談社『アフタヌーン』所載)
出演:木村拓哉、杉咲花、福士蒼汰、市原隼人、戸田恵梨香、北村一輝、栗山千明、満島真之介、金子賢、山本陽子、市川海老蔵、田中泯/山﨑努
配給:ワーナー・ブラザース映画
©沙村広明/講談社 ©2017映画「無限の住人」製作委員会