『花戦さ』の完成披露上映会が5月29日（月）に都内で行われ、野村萬斎、中井貴一、佐々木蔵之介、佐藤浩市、山内圭哉、和田正人、森川葵、吉田栄作らキャストと篠原哲雄監督が登壇した。

完成披露会見に引き続き、会場を移動して行われた完成披露舞台挨拶には、野村萬斎、中井貴一、佐々木蔵之介、佐藤浩市、山内圭哉、和田正人、森川葵、吉田栄作ら豪華キャストと篠原哲雄監督が登壇した。

“少年のような役”と自身の役どころを説明した主人公・池坊専好を演じた野村萬斎は「花で戦に挑んでいくところに注目していただければ」と挨拶した。また、劇中で専好の弟弟子・専武を演じた和田は「専好さんのことが大好きで、誰よりも専好さんのことを愛してる役。僕もその気持ちを大事にしようと思って、萬斎さんのことを大好きになろうとやってきました。萬斎さん愛を味わっていただければ」と笑いを誘った。また、専好に助けられたれんを演じた森川は「すごい方とここに立つということで、すごい緊張していてお腹が痛い」と緊張した面持ちを見せた。

オール京都ロケの本作だが、萬斎は「京都の撮影所に入ると（キャストは）京都弁でしゃべり始めた」と振り返り「ネイティブな方もいらっしゃるんですけど、僕は方言が初めてなので大変でした」と京都出身の蔵之介を見ながらコメント。また、佐藤は「限られた場所にいるのですぐに仲良く萎えた。映画の現場らしいなというなかで、2か月弱すごせてよかった」とそのチームワークの良さを改めて感じさせた。しかし、佐藤は千利休を演じるにあたって茶道の所作が「大変でした」と苦労した様子を窺わせ撮影前には習いに行ったことを明かしたが「手の動きに気を付けていたのですが、監督は手しか撮ってくれないので吹替えでもよかったのではないかと」と冗談を交えて語った。

最後に萬斎は「日本の文化がたくさん詰まっています。武力に対して文化の力、芸術の力がどれくらいあるのか。対話をするためのきっかけに花という文化、芸術があることを確信する（映画）」と表現し、さらに「そのうち（DVDなどを）借りればいいやと思う方もいるかもしれませんが、“ながら見”出来る映画ではありません。それぞれのキャラクターに見せ場があります。一回だけで把握、数回見ると何倍もおもしろい」と冗談を交えつつ、本作をアピールした。

野村萬斎、市川猿之助、中井貴一、佐々木蔵之介、佐藤浩市という「狂言」「歌舞伎」「日本映画界」のトップが競演する痛快エンターテインメントである本作。信長、秀吉といった戦国武将と関わりを持つ千利休とも親交があった、池坊専好という実在した京都の花僧の物語。戦国時代、時の天下人である秀吉に専好が単身立ち向かう姿を痛快に描く。主演の野村萬斎が池坊専好を演じるほか、山内圭哉、和田正人、吉田栄作、竹下景子らが出演する。