初日を迎え「笑った方も泣いた方もいらっしゃいますでしょうし、寝ていた方も・・・」と笑いを誘う野村萬斎。市川猿之助は「全編通してみると美しい」と本作の魅力を語った。さらに豪華キャストに囲まれた森川は「話そうとしたことが飛んじゃいました」と緊張をあらわにし、先日の完成披露試写で観客と一緒に鑑賞したときのことを振り返り「たくさん笑い、泣きました。私と同じくらいの年齢の方も楽しめる作品」と時代劇という先入観にとらわれずに見てほしいということをアピールした。
豪華キャストが揃った本作だが、中でも一堂に会する場面の撮影では「ロイヤルストレートフラッシュという噂もある」と話す萬斎。さらに、撮影中は緊迫感はあったものの「和気あいあいとしていた」と振り返った。また、同じシーンで秀吉を演じる猿之助は「なんとなく撮影が始まって、座ってた」と暴露。しかし、巨大ないけばなを見たときのことを「お花のすばらしさがものすごくインパクトがあった。スタッフさんの努力にも圧倒した」とまさに“花の力”に魅せられたことを明かした。
また、本作のテーマの一つとして“刃”ではなく“花”で討つということにちなんで、「壁にぶつかったときに乗り越える秘策」を聞かれ、萬斎は「昔はエレキギターをっ爆音で弾いて、憂さを晴らした」と明かし、猿之助は「寝ます。寝ると薄らぐんです」と回答。それぞれがアドバイスする中で、佐々木蔵之介は「目標を決めるから壁が出来るので、壁を作らないです。割とこまめにへこむので」と逆転の発想を明かした。さらに和田は「諦めます。酒に逃げます」と笑いを誘い、森川は「今ちょうど仕事という壁にぶつかって、どう乗り越えたらいいかと思っていたので参考にして頑張ります」と決意を新たにした。
また、劇中では“花”と“お茶”という日本の伝統文化で心を通い合わせる池坊専行を演じる萬斎と千利休を演じる佐藤浩市だが、実際に仕事を一緒にしたことについて佐藤は「野村萬斎を間近で見れるという面白さ。それは楽しみ」と共演を心待ちにしていた様子で、萬斎は「けったいな役が多いのでまともにやれないことも多い。受け止めてくれる方がいるのは幸せだと思います」と共演を楽しんだ様子だった。
野村萬斎、市川猿之助、中井貴一、佐々木蔵之介、佐藤浩市という「狂言」「歌舞伎」「日本映画界」のトップが競演する痛快エンターテインメントである本作。信長、秀吉といった戦国武将と関わりを持つ千利休とも親交があった、池坊専好という実在した京都の花僧の物語。戦国時代、時の天下人である秀吉に専好が単身立ち向かう姿を痛快に描く。主演の野村萬斎が池坊専好を演じるほか、山内圭哉、和田正人、吉田栄作、竹下景子らが出演する。
【取材・写真/蔭山勝也】
映画 『花戦さ』は2017年6月3日(土)より全国で公開!
監督:篠原哲雄
原作:鬼塚忠「花戦さ」(角川文庫刊)
出演:野村萬斎、市川猿之助、中井貴一、佐々木蔵之介、佐藤浩市、高橋克実、山内圭哉、和田正人、森川葵、吉田栄作、竹下景子
配給:東映
©2017「花戦さ」製作委員会