福永壮志監督がアフリカとニューヨークを舞台に描く“移民”の物語『Out of My Hand(原題)』が『リベリアの白い血』の邦題で8月5日(土)より公開されることが決定した。

あなたの知らない“移民”の世界がここにはある―。本作は、内戦の傷痕が色濃く残るリベリアで、政府公認の映画組合と共に制作された初の映画。移民の街・NYに舞台を移した後半では、アメリカで生きるアフリカ系移民の日常が鮮烈に描かれる。NYを拠点に活動している福永壮志監督の長編デビュー作ながら、ベルリン国際映画祭パノラマ部門に正式出品され、さらにカンヌ国際映画祭が実施する若手監督育成プログラムに選出され、欧米で注目を高めている。撮影を担当した村上涼はNYを拠点に世界での活躍を期待された逸材だったが、リベリアでの撮影中にマラリアにかかり、悔しくも33歳という若さでこの世を去った。

本作は、ベルリン国際映画祭のほか、ロサンゼルス映画祭で最高賞を受賞、米インディペンデント映画界の重要イベントの一つ、インディペンデント・スピリットアワードでは、日本人監督として初めてジョン・カサヴェテス賞にノミネート。カンヌ国際映画祭が実施するプログラム、“シネフォンダシオン・レジデンス”に世界中から選ばれた六人の若手監督の内の一人に選出され、現在長編二作目の脚本に取り組んでいる。国内では、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2016の国際コンペティションである長編部門に選出されている。

西アフリカからニューヨークへ、自由を求めて生きる男の物語。リベリア共和国のゴム農園で働くシスコは過酷な労働の中で家族を養っていた。仲間たちと共に労働環境の改善に立ち上がるが状況は変わらない。そんな時シスコは従兄弟のマーヴィンからニューヨークでの生活のことを聞き、より良い生活のために愛する家族の元を離れ、自由の国アメリカへ単身で渡ることを決意する。NYのリベリア人コミュニティに身を置き、タクシードライバーとして働き出したシスコ。移民の現実を目の当たりにしながらも、都会の喧噪や多種多様な人々が住むこの地に少しずつ順応していく。しかし、元兵士のジェイコブとの予期せぬ再会により、リベリアでの忌々しい過去がシスコに蘇ってくるのだった―。

映画『リベリアの白い血』は2017年8月5日(土)よりアップリンク渋谷ほか全国で順次公開!
監督:福永壮志
出演:ビショップ・ブレイ、ゼノビア・テイラー、デューク・マーフィー・デニス、ロドニー・ロジャース・べックレー、ディヴィッド・ロバーツ、シェリー・モラド
配給:ニコニコフィルム