本作は、宮沢賢治が愛した食や音楽を切り口とする“愛と青春の旅立ちの物語”。「銀河鉄道の夜」「雨ニモマケズ」などで知られる作家・宮沢賢治だが、孤高の存在として語られる印象とは裏腹に、実はユーモアに溢れた好奇心の人だった。どんな人物で、如何なるものを食したのか、そしてそれは早逝する最愛の妹への深い愛情が秘められていた―。若かりし頃の天真爛漫な宮沢賢治の青春時代を食やクラシック音楽を通して、家族や親しい人たちとの関わりを描く。主人公、宮沢賢治を鈴木亮平が演じる。
本作における賢治像について「子どもがそのまま大人になったよう」と語る鈴木。自身の中にも似た部分があると感じているようで「普段、仕事の場では、それをひた隠しにして生きてますけど(笑)僕も実は基本的に子どもです。空想したりすることも多いですし・・・。彼ほど天才的な何かがあるわけではないですけど、似ているものを感じます。賢治って“空想好き”というイメージがあったけど、実はその根底には圧倒的な科学による裏付けや知識がある。学者肌で、気になったらとことん調べるところは、僕も少しあるかなって気もします。石ひとつ見ても、賢治には何ていう種類の石で、どういう風にできていて、ということが全てわかって、周りの地形も見えてくる。それだけの知識量があるということは本当に尊敬します」と語る。
コロッケに焼きリンゴなど様々な料理が各話で登場し、賢治と周りの人々を繋げていく。賢治の「食」への向き合い方でも、この学者肌の性格が色濃く出ているのではと鈴木は分析する。「食べたものに対する感謝がすごく強い人なんじゃないかなって思います。想像力と知識があり、感性も豊かなので、コロッケひとつでも、イモがどうやって作られて、この甘さの元は・・・といったことが全部わかる。ただ『おいしい』だけじゃなく、歴史から何から全てが入ってきて『あぁ!いまこれを食べられるってなんて幸せなことなんだろう!』って感じるんじゃないかと思います。僕も減量中においしいものを食べた経験がありますが、芝居では絶対にこんなリアクションはしないよってくらい『メチャクチャおいしい!』というリアクションをするんです。絶対に目を閉じるんですよ(笑)本当に体が求めて『食べたい!』と思って食べると、感覚を全部、味覚に集中させるんです。今回、その経験を活かせる部分があるなと思います」と語った。
「連続ドラマW 宮沢賢治の食卓」は2017年6月17日(土)よりWOWOWにて放送開始!
毎週土曜日22:00開始、第1話無料放送
監督:御法川修
原作:魚乃目三太「思い出食堂」(少年画報社刊)
出演:鈴木亮平、石橋杏奈、山崎育三郎、市川実日子/柳沢慎吾、おかやまはじめ、竹財輝之助、井之脇海、犬飼直紀/神野三鈴、平田満